happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

【本屋大賞】逢坂冬馬著『同志少女よ敵を撃て』|読むのが辛い、最後まで怒涛の殺戮

第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作 …にして 本屋大賞2022年グランプリ 『同志少女よ敵を撃て』を読みました。 Amazon評価 ★4.4 あらすじは、 独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。急襲し…

【直木賞候補作】彩瀬まる著「新しい星」|それぞれの人生を応援したくなる物語

2021年下半期 直木賞(第166回)候補作5作の中の一作、彩瀬まる著「新しい星」を読みました。 2021年下半期 直木賞候補作には、直木賞を受賞した2作「黒牢城」「塞王の盾」の他に、 本屋大賞を受賞した「同士少女よ敵を撃て」「ミカエルの鼓動」と、この「新…

【中山七里】死にゆく者の祈り|残り10ページ、と言うところでどんでん返し!

中山七里さんの作品は、以前、映画にもなった「護られなかった者たちへ」を読みました。 中山七里さんは、「どんでん返しの帝王」の異名をとるミステリー作家さん。 今回は、「死にゆく者の祈り」を読みました。 どんなどんでん返しが待ち受けているのか、ワ…

【角田光代】月と雷|根無し草親子に奪われた普通の暮らしとその後

角田光代著「月と雷」を読みました。 初音映莉子・高良健吾主演で映画化されているようですが、映画は観てません。 Amazon評価 ★4.6 幼いころ、泰子の家でいっとき暮らしをともにした見知らぬ女と男の子。まっとうとは言い難いあの母子との日々を忘れたこと…

【2022年本屋大賞5位】浅倉秋成著「六人の嘘つきな大学生」、面白くて一気読み!!

2022年の本屋大賞にノミネートとされた時から気になっていました。 浅倉秋成著「六人の嘘つきな大学生」 Amazon評価 ★4.5 成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に持ち込まれた六通の封筒。個人名が書かれたその封筒を開けると…

【小川糸】さようなら、私|小川糸作品にしては…ちょっと期待外れ…

小川糸さんの作品は、デビュー作の「食堂かたつむり」(2008年)と本屋大賞ノミネート作品の「つばき文具店」(2016年)、続編の「キラキラ共和国」(2017年)、「ライオンのおやつ」(2019年)の4冊を読みました。 特に、「つばき文具店」と「キラキラ共和…

今村夏子著「星の子」|カルト宗教にハマる家庭の子供は救われるのか不幸になるのか?

芥川賞作家、今村夏子さんの「星の子」を読みました。 すごく読みやすいのと、どうなる、どうなる?と先へ先へと気持ちがはやって、読むのに1日かからなかったです。 Amazon評価 ★3.9 林ちひろは中学3年生。病弱だった娘を救いたい一心で、両親は「あやしい…

【一穂ミチ】パラソルでパラシュート|随所で声出して笑ったけど、意外と深い話

2022年本屋大賞ノミネート・第165回直木賞候補作の「スモールワールズ」を読んで、その後に書かれた作品も読んでみようと、 「パラソルでパラシュート」を読みました。 軽妙な会話、くすっと笑わされる比喩、漫才のようなツッコミとスルーがこれまた面白い。…

【林真理子】話題の実名不倫小説「奇跡」|本を売りたいだけの小説に思えました

これはフィクション? ノンフィクション? 読み終わった瞬間、すごく微妙な気分になりました。 「奇跡」というわりに感動も何もなくて、ボーゼン。 まずこれはフィクションなのかノンフィクションなのか、という疑問。 終章を読み終え、最後のページを捲ると…

【瀬尾まいこ】「僕の明日を照らして」読了|耐えて努力する隼太にエールを送り続けたけれど…

初めて読んだ瀬尾まいこさんの本は、本屋大賞を受賞した「そして、バトンは渡された」(2018年)でした。 ご自身の体験をもとに書かれた「夜明けのすべて」(2020年)も読み、じわ~と温かいものがこみ上げてくる作品だったので、図書館の書架にあった「僕の…

【町田そのこ】連作短編集・「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」|いろんな家族のかたちがあっていい

町田そのこさんの作品は、以前、2021年の本屋大賞受賞作『52ヘルツのクジラたち』(2020/4/25発売)を読み、深く感動しました。 本屋大賞受賞作の3年前に書かれた著者のデビュー作「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」を読んでみました。 2016年、新潮社が主…

【本屋大賞】7位 小田雅久仁著「残月記」はちょっとダークなファンタジー?

「小説推理」に掲載された3編が納められた単行本「残月記」。 「そして月がふりかえる」「月景石」「残月記」 どれも薄気味悪い、大人のファンタジー。 特に、3編目の表題作「残月記」はディストピア色も濃く、読むのが、というか、文字を読んで、場面を想像…

【塩田武士】「朱色の化身」読了|登場人物が多いのでメモして整理しながら読みました

塩田武士さんの著書は、「罪の声」と「騙し絵の牙」を読みました。 映画化もされた「罪の声」、グリコ森永事件を題材にした社会派で興味深く読みました。 今回読んだ「朱色の化身」も社会派かな、と思ったのですが…ちょっととっ散らかってました… プロローグ…

【寺地はるな】「水を縫う」|ゆるくつながる家族…温かい気持ちになれました

【第9回河合隼雄物語賞受賞作品】Amazonのおすすめ図書に度々出てくるので、図書館で予約していました。 少し生きづらさを抱えた家族がゆるやかに繋がって、温かい気持ちにさせてくれる本です。 6章からなり、それぞれの家族の物語が描かれています 第一章 …

【三浦しをん】「ののはな通信」|2人の往復書簡でそれぞれの人生が浮かび上がる

本の表紙絵が野の花ですが、ののとはなの物語です 以前、友人が「今読んでる」…と話していた「ののはな通信」。 図書館に本を返しに行ったら、書架にあったので借りてみました。 予習なしで読み始めました。 「通信」というタイトルなので、お手紙であること…