happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

早花まこ著『すみれの花、また咲く頃』読了

著者は元宝塚歌劇団雪組、88期生の早花まこさん。 宝塚歌劇在団中から、文章がお上手で、機関誌『歌劇』のコーナーを担当されていました。 2020年に退団後は、特技を生かして、文章を書くお仕事に進まれるだろう、と私も思っていました。 まず始められたのが…

小川洋子著『掌に眠る舞台』読了|舞台にまつわる8編

小川洋子さんの著作を読むのは、2012年に出版された『人質の朗読会』以来。 前回から10年以上開いてしまいました。 本の帯には 舞台という、異界。 舞台という、奇跡。 演じること、観ること、観られること。 ステージの此方と彼方で生まれる特別な関係を描…

【東野圭吾】不思議な力を持つクスノキと玲斗の成長物語|『クスノキの番人』

東野圭吾さん、ミステリーじゃない作品もいいですね 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く新たなエンターテインメント作品。 Amazon ★4.3 ★5=56% あらすじは… 不当な理由で職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった玲斗。 同情を買おうと取調官に…

【湊かなえ】『母性』読むのが苦しい場面が多くて…

イヤミスの女王・湊かなえさんの『母性』を読みました。 2023年16冊目。 戸田恵梨香さん、永野芽郁さんで映画化され昨年公開されて話題になりました。 映画化もされている作品、ということは、描きたくなる内容、もしくは問題提起性のある内容なのだろうとは…

【角田光代】『タラント』読了

昨年の4月に図書館に予約していて、ようやく回ってきた角田光代著『タラント』。 ワタクシが予約した時点で303人待ち、発刊から1年経った今でも230人待ちの人気の小説です。 目次: 慟哭の??長編小説ですか… サクサクと読み進められなかった原因は? 一見…

【青山美智子】『猫のお告げは樹の下で』読了|悩める人だけが出会える猫のお告げ

2023年14冊目、青山美智子著『猫のお告げは樹の下で』読了 友人オススメの作品です。 青山美智子さんの作品は、迷ったり、悩んだりする人が前に進める言葉が出てきます。 書き留めておきたいようなキラリと光るフレーズ。 今回は…タラヨウの木の葉にヒントと…

【町田そのこ】コンビニ兄弟2|目頭が熱くなる3話収録、早くも続編が待ち遠しい

先日読んだ、コンビニ兄弟の続編、コンビニ兄弟2を読みました。 「2」は、薄くて、お話も3話しか収録されていないのですが… 本は薄くても、内容は濃い! 1巻の登場人物も再び登場して、シリーズものを読む醍醐味を味わいました^^ 目次: 心を癒やしてくれ…

松浦理英子著『ヒカリ文集』|設定が無理すぎて、読むのに時間がかかりました

目次: 男女六人を惑わす賀集ヒカリとは ヒカリと付き合った6人がヒカリについて綴る思い出のヒカリ文集 設定が極端で不自然、こんなことってある? ファム・ファタールなヒカリをヒロインに「マノン・レスコー」を上演 病的だと指摘された「長続きしない人…

【町田そのこ】クスッと笑えて温かい気持ちになる『コンビニ兄弟』

大好きな町田そのこさんの『コンビニ兄弟』を読みました。 目次: プロローグが安ぽいドラマみたいで、読むのをためらいました ^^; 6話が収められていて、ゆるく繋がっている連作短編集です ここにやってくる常連客の悩みを解決する店長…とお兄さん 登場…

中島京子著『小さいおうち』昭和の時代、女中として生きた女性の物語

『小さいおうち』直木賞受賞も納得、読まされました 外出の時に持ち運ぶのに軽い文庫本を…とたまたま図書館で借りた本。 バージニア・リー・バートンの絵本、『ちいさいおうち』と同じタイトルなので、気になって、読んでみました。 中島京子さんの本を読む…

【本屋大賞】グランプリは凪良ゆう著「汝、星のごとく」

凪良ゆうさん『汝、星のごとく』本屋大賞受賞おめでとうございます! 心に染みる物語でしたので、受賞、心の底から嬉しいです! インスタやってます^^ この投稿をInstagramで見る happy(@yuzuki_citrus)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る happy(…

【町田そのこ】宙の成長の傍らにいつも「心を癒やすごはん」があった|『宙ごはん』読了

本屋大賞受賞作「52ヘルツのクジラたち」に感動して、その後、「夜空に泳ぐチョコレートグラミー」、「星を掬う」を読みました。 目次 家族のあり方に焦点を当てて書いておられる町田そのこさん 宙(そら)、6歳から大人になるまでの成長物語、その傍らには…

遠田潤子著『イオカステの揺籃』読了|久々のイヤミスにぐったり…

「イオカステ」に惹かれて読んでみました 新聞広告で見かけた『イオカステの揺籃』。 以前、『オイディプス王』という舞台を観る際に、原作本である古代ギリシャ三大悲劇の、ソフォクレス作『オイディプス王』を読みました。 こんなことが起こりうるのか…と…

【凪良ゆう】『汝、星のごとく』泣かされた|久々に…宝物のような作品

メディアで話題の『汝、星のごとく』に出会えてよかった Amazon ★4.5 ★5=74% 【2023年本屋大賞】ノミネート【第168回直木賞候補作】【第44回吉川英治文学新人賞候補作】【2022王様のブランチBOOK大賞】【キノベス!2023 第1位】【第10回高校生直木賞候補作…

成田名璃子著『東京すみっこごはん』温かい人間関係に読まされ、最後感動!!

Amazonの関連商品として紹介されていた本です。 著者の成田名璃子さんは、全く知らない作家さんでしたが、Amazonでは、高評価。 図書館で借りて呼んでみました。 心温まるお話、ラスト感涙。 Amazon ★4.3 ★5=54% 東京の下町の商店街のはずれにある「すみっ…

【森沢明夫】映画『あなたへ』のノベライズ本|ひとりになった男の出会いと亡き妻の思い

映画『あなたへ』のノベライズ本です 前半は、出会った人たちの物語が描かれています 亡き妻のふるさと、長崎の薄香に英二が着いてからが読ませどころ 映画『あなたへ』のノベライズ本です 『あなたへ』は、降旗康男監督、高倉健主演で2012年8月25日に公開さ…

【有川浩】レインツリーの国|障害ある無し関係なし、相手を思いやる気持ちが大切♪

人間関係は、相手を理解しようとする互いの努力の上に成り立っている 久しぶりに有川浩さんの作品を読みました。 この作品は、2006年に出版された『図書館内乱』の作中作として登場し、その後著者が改めて書き下ろしたという小説だそうです。 これは、『図書…

【原田マハ】丘の上の賢人 旅屋おかえり|ラストは感動だったが賢人の「設定」に鼻白む

『旅屋おかえり』のタイトルで期待したけれど… Amazon ★4.1 ★5=45% 2012年4月にWEB文芸『レンザブロー』に連載されていたものを単行本化された『旅屋おかえり』を以前読みました。 心に残る言葉が随所に散りばめられ、感動の熱い涙が止まらない…素敵な本で…

【寺地はるな】『川のほとりに立つ者は』|読了後、優しい気持ちになれる本

今、ちょっとハマっている寺地はるなさんの作品です。 本屋大賞ノミネート作品です。 Amazon ★3.8 ★5=35% カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していた…

【寺地はるな】『声の在りか』読了|自分の思いを声に出さなかった主人公の成長物語

最近、よく読んでる寺地はるなさんの作品です。 思い当たる節のある…というか、「あるある!!」と容易に想像がつく内容で面白く読みました。 続きを早く読みたくなる作品でした。 原田マハさんの『丘の上の賢人』を並行して読んでたのですが、途中からそち…

宮津大蔵著『うちら、まだ終わってないし』|宝塚OGがモデル、退団後の奮戦記

宮津大蔵さんの著書『うちら、まだ終わってないし』を読みました 以前読んだ宮津大蔵さんの著書、『ヅカメン お父ちゃんたちの宝塚』(2014年初版)が ヅカネタ満載でとてもおもしろく、宝塚ファンとしても、参考になる楽しい本でした。 宮津大蔵さんの奥様…

【読書総括】2022年読んだ本 全56冊 ワタシ的ベスト5発表〜♪

2022年に読んだ本、全56冊 1 生還者 下村敦史 2 心淋し川 西條奈加 3 花束は毒 織守きょうや 4 青嵐の坂 葉室麟 5 ミカエルの鼓動 柚月裕子 6 鎌倉うずまき案内所 青山美智子 7 さいはての彼女 原田マハ 8 骨を彩る 彩瀬まる 9 冷たい檻 伊岡瞬 10 赤と青と…

【伊吹有喜】『今はちょっと,ついてないだけ』|温かい視線で描かれたシェアハウスの仲間との敗者復活戦

2022年4月に公開された映画、「今はちょっと、ついてないだけ」(玉山鉄二主演)の原作本を読みました。 伊吹有喜さんらしい、温かい人間関係が描かれていて優しい気持ちになれます。 バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、ブームが過ぎる…

内館牧子著『終わった人』|定年後あるある!主人公の心の声に大笑い

なにかを検索していたときに、Amazonの関連書籍に出ていた内館牧子さんの『終わった人』を読みました。 Amazon ★4.1 ★5=50% 舘ひろし主演で映画にもなった作品です。 主人公・田代壮介は、東大法学部を卒業後、意気揚々メガバンクに入社し、出世争いをした…

標野凪著『今宵も喫茶ドードーのキッチンで。』|真似したくなる「丁寧な暮らし」

Amazonのサイトで、「よく一緒に購入されている商品」、「この商品に関連する商品」として紹介されていたので読んでみました。 真似したくなるスロウライフな喫茶ドードー お一人様専用カフェ、喫茶ドードーは、ティータイムじゃなくて、夜に開けてるお店で…

【一穂ミチ】『砂嵐に星屑』読了|くすりと笑える会話に共感

一穂ミチさん、3作目、読みました。 Amazon ★4.3 (★5=54%) 読むのが楽しい本でした。 一穂ミチさんの著作は、『スモールワールズ』と『パラソルでパラシュート』の2作を読みました。 『パラソルでパラシュート』は、シェアハウスに済むお笑い芸人たちと…

【林真理子】『李王家の縁談』|梨本宮伊都子妃の縁談に対する執念

『李王家の縁談』というタイトルですが… 最後の貴婦人・梨本宮伊都子の生き様を読まされた感がありました。 あとがきに、小田部雄二著『梨本宮伊都子妃の日記』がなければ書けなかった、と林真理子さんの弁。 「李王家との縁談を積極的に進めたのは梨本宮伊…

【月村了衛】『ガンルージュ』読了|手に汗握る展開に引き込まれて…一気読み

初めて読んだ月村了衛さんの作品は『土漠の花』でした。 手に汗握る展開、映画のラストシーンのような鮮やかな最終章。 読むのが楽しい一冊でした あれからだいぶ年月が経ちましたが、先日『脱北航路』を読んで、やはり月村了衛さんの息をも吐かせぬ展開、楽…

【芥川賞受賞】今村夏子著『むらさきのスカートの女』|黄色いカーディガンの女の執着が怖い

『むらさきのスカートの女』は、2019年の第161回芥川賞受賞作です。 芥川賞というのは「純文学」に対して贈られる賞、ということで、あまり好みの作品がなく…なかなか手に取る機会がないです。 話題になったので宇佐見りん著『推し、燃ゆ』は読みました。 小…

【近藤史恵】マカロンはマカロン|三舟シェフ今回も大活躍

三舟シェフの推理が冴えるビストロ パ・マルのシリーズ 第三弾! 2019年、ブロともさんに教えて頂き、ビストロシリーズ、2冊続けて読みました。 あれから3年、ぷつっと途切れていましたが、今回、続きの第三弾を読了♪ ミステリー関連の本を扱う東京創元社か…