happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

「皇妃エリザベート 永遠の美」を読みました

美しき皇妃エリザベート 「エリザベート」、現在 宝塚大劇場月組が公演中です。

 

宝塚ファン、ミュージカルファンに人気の演目ですね。

素晴らしい楽曲に魅了されますが、タイトルロールのエリザベートの波乱に満ちた生涯がドラマチックに描かれてストーリーにも引き込まれます。

少し前に この本をブログのお友達に教えていただきました。

 

写真が多いので、3時間ぐらいで読めました。

以前、京都の国立博物館で開催された「ハプスブルク展」を見たり、エリザベートの本を読んであらかた知ってましたが、

この本は、写真が多く、当時の宮廷生活などが垣間見ることができて興味深かったです。

シルクのパンプスや レースの襟飾り レース編みの靴下 パジャマ…どんなものでも 超一流の香りがします。ゴージャスです!

 エリザベート永遠の美




皇妃エリザベートの波乱に満ちた生涯 ミュージカルでは、田舎育ちのお転婆に描かれていますが、エリザベートの父は、バイエルン王国ヴィッテルスバッハ家出身。
神聖ローマ帝国の有力王族して、700年の歴史を誇る名家。ハプスブルク家に次ぐ勢力を持つ家柄だそうです。

ミュージカルにもある通り、自由を愛する父・マックス公の薫陶を受けて育ったため、ドレスを着せるのも大変、と母を嘆かせていたようです。

母・ルドヴィカは、宮廷のしきたりに背いて自らの手で8人の子育てをしたそうです。

フランツに嫁いだものの、窮屈さに耐えられなかったのも、自由な父と、しきたりを重んじない母を見て育ったからなんでしょうね。

ミュージカルでは、バートイシュルでのお見合いは、あっさりと描かれていますが、

実際は、8月16日バートイシュルに入り、17日の夜の舞踏会で皇帝自らエリザベートにダンスを申し込んだのでした。(異例のことだそうです!)

8月18日フランツ23歳の誕生日にエリザベートを妃に、と請い 、翌19日にエリザベートが結婚を承諾。

たった4日で結婚が決まりました。

これが不幸の始まり。

結婚は…よく考えないと(笑)恋は盲目だから仕方ないのか。美しい、って罪ね。

この本によりますと、エリザベートミュンヘンの自邸に戻ってから、厳しいお妃教育を受けたとの事。

その割には、覚悟がなかったですね。16歳の少女がいきなり皇妃になるのは茨の道が見えているはずですが。

ミュンヘンからウィーンまで3日がかりで祝賀行事をこなしながらの移動で大変だったようです。
ゾフィーとの闘い 原因は、エリザベートの幼稚さにもあると思うのですが、

ゾフィー大公妃との確執で躁と鬱が交錯し、心身のバランスを崩したりもしたようです。

生まれたばかりの赤ちゃんを取り上げるゾフィーをひどいと思う反面、子供のようなエリザベートに将来の妃や皇帝を預けるわけにはいかない、と懸念するゾフィーの気持ちは、至極当然のことのようにも思いました。

侍医が「太陽の輝く国」で静養することを進言したので、これ幸いと旅から旅に出る生活になって行ったのですね。

皇帝フランツが、エリザベートの美しさに心奪われたのは事実ですが、、政治をなおざりにしていたわけではありません。

それでも、国民が苦しんでいる時に、一人の女性の為にヨーロッパ各地に豪華な別荘を建てたり、大勢のお供を従えての旅にお金を使うエリザベートを許した皇帝に非難が集まるのは仕方ないですね。

フランスでマリー・アントワネットの贅沢と浪費を許したルイ16世に共通しますね。

どちらも、惚れた弱みなのでしょうか。

ミュージカルとの違いは…

◆ミュージカルでは、皇帝とマデレーネとの情事にエリザベートが心を痛めていましたが、

史実では、エリザベートが自ら、その手の女性を皇帝に差し向けていたようです。

話し相手に、自分の友人をあてがったりも。

 

◆青年ルドルフは、亡くなる前に、すでに妻を娶り、娘ももうけていたのですが

話が複雑になるからか、ここはミュージカルでは、描かれてないですね。

だから、初めて「うたかたの恋」(ルドルフとマリー・ヴェッツェラの悲恋を描いた作品)を観た時に、「この」ルドルフが「あの」ルドルフ??ってにわかに信じられませんでした。

若き皇帝に見初められ、三女一男をもうけたものの、ハンガリーで娘2人を亡くしたエリザベート

ルドルフの子育ての権利を勝ち取ったものの結局子育てもろくにせず旅にあけくれたエリザベート

頑なに自分の殻に閉じこもり、心を開かず生きた人生のなんと孤独なことか。

乗馬が一番の楽しみだったらしく エリザベートはなんとアクロバット馬術の訓練をしてたようです。写真にはサイドサドルで足を揃えて優雅に馬に乗る(跨がらない)姿が。初めて観た写真でした。

旅から旅の果に テロリストに襲われ絶命。

いきなり人生に幕を下ろされたが故に 悲劇の皇妃としてエリザベートはミュージカルに描かれたのでしょうね。

 

自由な生き方に憧れたのに 自由のない王家に嫁いでしまった故の悲劇。

テロリストの凶器によって エリザベートは苦しみから解き放たれて ようやく自由を手にすることが出来たのは皮肉としか言えませんね。

 

美しく、孤独だった皇妃エリザベートは わがままで浪費家故に

悪女認定 by NHK 笑

同感です!w