happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

湊かなえ著「告白」 読了

読みたい、読みたいと思ってた湊かなえ著 「告白」
友人が持ってるというので 図書館の予約を取り消して借りました

2009年本屋大賞1位 2008年週刊文春ミステリーベストテン 第1位
読みたーい!

昨夜 夕食後 8時過ぎから 12時半まで
途中 惰眠を貪りつつも 4時間くらいで読めちゃいました
暗~い 鉛を呑みこんだような気分になる 重い作品だけど
絶妙の筆致で もう ページを繰る手が止まらない!
どうなるの?どうなるの?って・・・
そして ひとつの事件から 新たな事件へと展開を見せる

新たな事件を告げる一文に どきーっ!!
やっぱり やっちまったか・・・


S中学のあるクラスの担任の先生が3学期最後の日の挨拶で物語は始まる
先生の愛娘が校内のプールで何者かに殺された
犯人は そのクラスの男子AとB クラスメートは犯人が誰か暗黙の了解
その日を以て 教師を辞める担任の一人語りが 
犯人の少年の心をじわーっと締め付けていく

そして春休みを経て新学年 新たな担任が赴任してくる
新たな事件が起こる・・・・
ここでドーンと こちらの心臓まで刺されたような衝撃が走る!

ストーリーテラーが語る物語は  いわば平面的だけど
この、「告白」は 
一連の事件を 関係者それぞれの視点で告白という形で書いている
あるひとから見れば それ自然で 正しい行為と思われても
別の人から見れば 偽善だったり 独りよがりに見えてしまったりという
多角的に事件を描いていて 立体的だと思う

それぞれの関係者が「告白」するごとに
事件がよりくっきり浮かびあがり、そうだったのかーと納得させられる
とてもうまい手法で 物語は進んでいくのです

1章 聖職者 先生の告白 事件のあった年度末 辞職を決めた挨拶
2章 殉教者 美月(学級委員長)の告白 元担任の先生への現状報告
3章 慈愛者 直樹の姉の告白 直樹の母の日記を読んで直樹の内面に迫る
4章 求道者 直樹の告白 2つの事件を起こす前から今までの回想
5章 信奉者 修哉の告白 自分の生い立ちと事件とのかかわりを手紙で
6章 伝道者 先生の告白 修哉に最後通告の電話の内容

それにしても 先生のどんでん返しの 衝撃の復讐劇・・・怖い!

昨今の少年犯罪を思い出しつつ 息を詰めて読み切りました ふーっ