⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

高田郁著 「想い雲」 読みました♪

想い雲、読み終わりました♪
高田郁著 みをつくし料理帖のシリーズ第3弾です  90f8b049.jpg



今回もじんわりと温かい気持ちに満たされ、読後感爽やか~

夏の盛り 土用に鰻は高価なので 
「う」の付く食べ物(卯の花和え 梅土佐豆腐、埋め飯)で「う尽くし膳」を出して
食通の男に「目に美し、口にして旨し、心に嬉し
まさに、う尽くしと言わしめた澪


吉原で太夫をつとめる幼馴染の野江の見世・翁屋が
鱧を調理できる料理人を探していた
大阪にいた頃に鱧を扱ったことがある澪が呼ばれ調理してみせる

包丁捌き、手際の良さ 読んでいて楽しい♪
料理の描写が 鮮やかで 澪の一挙手一投足がありありと目に浮かびます


「沸騰した湯に鱧の身を放つと花が咲いたように丸く美しく広がる
掬いとって今度は冷水に落とす。水気をぬぐい 鉢に装って酢味噌を添えた」(本文より)
母が夏になると 作ってくれる鱧の湯引きを、思い出しました♪


八朔(旧暦八月一日・祝日)の日 翁屋の菊乃の手引きで
ほんの一瞬ではあったけれど 吉原の中で 野江と対面を果たした澪だった・・・


今回も 澪の料理を真似た 偽「つる家」が店を出し 
つる家は 悔し涙にくれたのだが
またしても澪の素晴らしい料理とアイデア
一度は遠のいた客足を 戻すことに成功する


つる家・下足番、ふきの幼い弟の健坊が奉公先で粗相をして行方不明に!
無事見つかったものの奉公先に帰りたがらない健坊を見て
情の厚い種市は、つる家に引き取ろうとするが
「辛いから逃げると言うのはよくあるが
それを他の者が尻拭いをしたのでは 嫌なことから逃げ出す一生になってしまう
と、情にほだされず 本人のためを思い ぴしゃりと言い放つ もと料亭の女将・芳
天晴れ~ やっぱりかっこいい!

健坊は奉公先に帰って行った
遅い初雁を眺めながら 寂しいふきの胸の内を察して
そっとふきの手を握り返す澪
温かい気持ちが胸いっぱいに広がります 

つる家を手伝ってくれているりうから江戸城・御膳奉行の話を聞いた澪は
小松原がその奉行ではないか・・・と 思い始める

2010年9月18日に発売の 第4弾・今朝の春に 続いています

元天満一兆庵の女将・芳の一人息子が
江戸で行方知れずになっていたけれど
第3弾で その 消息の一部が明かされました

そして 第4弾では 澪が思いを寄せる 小松原の正体が明らかになるようです 


シリーズ作品を読む楽しさを ゆっくり味わい中^^

そして もう一つの醍醐味は料理作りの描写を想像して楽しむこと!

お料理のお献立を考えるところから
旬の味を生かして アイデアたっぷりの料理を作るプロセスを
読みながら 頭の中で再現するのがとても楽しい

すっかり みをつくし料理帖にはまってしまいました