⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

詩をよみ開いた心の扉~奈良少年刑務所詩集

先日 朝日新聞の夕刊に
心に留まる記事がありました

空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集』の話題

社会性涵養プログラムの一環として行われた、詩を読む授業の中で
書かれた詩をまとめた本です

タイトルの
空が青いから白をえらんだのです、という一行詩を書いた少年は
詩を朗読した後
「今年はお母さんの七回忌です。お母さんは病院で、つらいことがあったら空を見て、
そこに私がいるから、とぼくに言ってくれました」と語り
これを聞いた他の生徒は
「この詩を書いたことが彼の親孝行だと思いました」
「ぼくはお母さんを知らないので、空を見たらお母さんに会える気がしました」
と語ったと言う



この詩作の授業をされた 作家の寮美千子さんは
「犯罪は憎むべきもの。でも彼らを教えてきて、
人は変わることができる』ということを知りました」

少年たちの変化を目の当たりにみてこられたのでしょうね

 こんな未来を ボクは望んだだろうか
 こんな未来を ボクは想像もできなかった
 こんなボクの どこを愛せるの?
 なぜ そんなにやさしい眼(め)で見れるの?
 「だいじょうぶ まだやり直せるよ」って言えるの?
 こんなボクなのに……
 こんなボクなのに ありがとう かあさん

涙がこぼれました

一つボタンを掛け違ったことにより
気がつけば とんでもなく 普通とはかけ離れた所に
行ってしまった少年たち

その多くは 育児放棄されたり、虐待されたり、
人間としてまともに相手にしてもらえなかった少年たち

差し伸べてくれる温かい手を知らずに育ったのか。
感情表現が下手で 誤解されたり 心を閉ざしたりしたのか。

生れ落ちた時は 誰もが洋々たる未来を持っていたはずなのに、
幼い頃は 無垢な心で過ごしていたはずなのに、
知らず知らずのうちに 世の中の軌道から外れていったんですね

もし、温かい家庭に育っていたら
親身に相談に乗ってくれる誰かがいたら
彼らは 犯罪を犯さずにすんだかも知れない
それどころか 持てる才能を開花させて
有能なスポーツ選手になっていたかも?
素晴らしい ミュージシャンになっていたかも?

少年たち自身にも 犯罪を犯した責任は当然ありますが
彼らを取り巻く環境にも 犯罪を誘引した一因があるような気がします。
(奈良・医師一家放火殺人事件など)

寮さんがおっしゃるように 今まで「荒地のようで
情緒が耕されていない」彼らの心に、 
詩をつくることで 豊かな感情が芽生えたのです♪
その感情は 人と人とのつながりを支え
心の交流を生んでいくことでしょう

それがいかに心地よいことかを味わえる日が来るといいのですが。

一度でも 犯罪を犯した者に対する 世の中の風当たりはキツイです
でも くじけないで、と願わずにはいられません。

新聞記事の内容はこちらにUPされています

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