happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

孤高のメス 文庫本・全6巻読みました♪

ふぁ~ 長かった~ 孤高のメス 文庫本・全6巻

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お正月明けから読み始めて
途中浮気もしながら ようやく読み終えました


ネタバレあり ↓ 注意

この長い作品のメインテーマは
肝臓移植です

作品の時代は1990年前後

まさに 日本初の生体肝移植が行われたのが
1989年 島根医大で行われた手術でした
それをモデルに書かれている部分があります
(実川教授のくだり)

1998年に脳死が人の死と認められ
翌1999年に初めて脳死肝移植が行われたらしいのですが
それ以前に この主人公当麻鉄彦は
脳死肝移植を行っています (フィクションですから

主人公・当麻鉄彦は
高潔であるが故に
確固たる意志を持ちすぎているが故に
迎合することなく
周囲との軋轢を生んでしまう
それもまた孤高の医師たる所以なのですね


金と権力にまみれた 医学界の暗部を描き
リアリティがあるのも
著者自身がは ドクターでいろんな面を見てこられたからなのでしょう

著者がドクターということでオペシーンの詳細な描写は
素人の想像力を掻き立てます
医療関係者が読まれたら 更に興味深いことでしょう

孤高の医師・当麻は 俗世の金や権力には目もくれず
ただ ひたすら 目の前の苦しむ患者を救いたい一心で
当時は 法的にもグレーゾーンだった
脳死肝移植を決行するのです

自分は 目の前に苦しむ患者がいたら
最良の方法で救いたい、という
医師として 一番シンプルな感情にかられて
移植をおこなったのですが

それを スタンドプレーだ 売名行為だと
つるし上げを食らいます

それは彼の 生い立ちにも由来するのですが。

最後は 移植を行ったがために 病院に迷惑がかかってはいけない、と、
招聘を受けて 台湾の病院に活躍の場を求めるところで
お話は終わります
そして次の 台湾編に続いていきます

当麻はこれから台湾でどんな活躍をするのでしょうか?

孤高の医師・当麻鉄彦と 周囲のドクターや病院関係者らとの
人間模様も面白く読み進めました
様々な 性格の医師が登場して飽きさせません
当麻に憧れる女性たちも花を添えています

当麻鉄彦をして 著者が 世間や医学界に
訴えかけたかったことを言わしめているのかな、との思いを抱きました

それにしても このボリューム・・・私には長すぎました 
 

あとがきに 著者は1989年から 「メスよ輝け!!外科医当麻鉄彦」という
コミックの原作を書いておられたとあります。
小説が世に出る前に 外科医・当麻鉄彦は
コミックでデビューしてたんですね