happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

高田郁著「今朝の春」読了♪

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ふぁ~ いつものことながら 読後感爽やか~!
胸が、ほのぼのと温かいもので満たされます。
澪の周りの登場人物、善人ばかりで

みおつくし料理帖シリーズ第4弾、今朝の春!!
だんだん 登場人物のキャラも色濃くなってきて
読んでてますます楽しい

今まで分からなかった 登場人物の過去や エピソードも
明らかになり お話に深みが増してきました
シリーズ物の醍醐味~!

今回も4話収められています
第1話では 澪が想いを寄せる浪人(風?)小松原の
素性が明らかになります

第2話は 口の悪い常連客で戯作者の清右衛門が
吉原のあさひ太夫を題材に戯作を書くことになった。
あさひ太夫は吉原では別格の花魁で澪の幼馴染、
元大坂の淡路屋のお嬢様・野江
彼女の過去を面白おかしく世間に晒すなどとんでもない!!
澪は 美味しい料理でうならせたら、戯作を書くのを止めてもらえないか
と、戯作者・清右衛門に掛け合う
かくして、辛口批評の戯作者・清右衛門も納得の料理が完成。
あさひ太夫を題材に戯作を書くことを断念してくれたのだった・・・

第3話
澪が働く「つる家」の手伝いをしてくれている、おりょう
その夫伊佐三、息子の太一を中心に描かれています
寒い夜に 仲直りをした家族が 澪の作った温寿司に
心も体も温かくなり・・・読者の心までも温かくなるのでした

第4話
料理番付の版元が、つる家に料理対決の話を持ってきた。
相手は、老舗の大店・登龍楼。
同じ食材を料理して店に出し、客の評価を競うと言うもの。
周りの皆が協力してくれる、その厚意に応えるため
是非とも勝ちたい、と望むようになった澪。
手伝いに来ている老婆のりうの言葉

「勝負事ってのは厄介でねぇ、どれほど努力したとか精進したとか行っても
負ければそれまで。」

「勝ちたい一心で精進を重ねるのと、無心に精進を重ねた結果、
価値を手に入れるのとでは、『精進』の意味が大分と違うように思いますねぇ」

「勝ちたい、というのは即ち欲ですよ。
欲を持つのは決して悪いことではないけれど、
人を追い詰めて駄目にもします。勝ち負けは時の運。
その運を決めるのは多分、人ではなく神仏でしょう。(中略)
見返りを求めず、弛まず、一心に精進を重ねることです」 無欲の勝利、か・・・。

結果は、負けだったけれど、想いを寄せる小松原から

「勝つことのみに拘っていた者が敗れたなら、それまでの精進は当人にとっての無駄。
ただ無心に精進を重ねて敗れたならば、その精進は己の糧となる
本来、精進はひとの糧となるものだが、欲がその本質を狂わせてしまうのだろう」

その言葉を噛みしめる澪・・・・

深いわぁ~


なかなか時代小説を読まないので 
頭の中で 江戸の町にタイムスリップするのは
本当に楽しいひと時でした

しかもお料理を考えたり、調理したりする件、
お料理番組さながらに頭の中に調理プロセスが浮かんできて
お料理心がムクムク・・・作ってみたくなります
レシピが巻末に載っています(作りはしませんが・・・

登場人物の過去や状況がどんどん明らかになり
続きがますます楽しみです♪