⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

沼田まほかる著「九月が永遠に続けば」 読了♪

沼田まほかる著「九月が永遠に続けば」を読みました

沼田まほかるデビュー作にして第5回ホラーサスペンス大賞受賞作

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デビュー作にしては、スゴイ文章力です

そして怖い・・・なんだか今まで体験した事の無い
言い表せない怖さ というか気持ちの悪さ

ふ~っ 重い内容でした

ネタバレあり ↓ ご注意ください 


主人公・佐知子は高校生の文彦と二人暮らし
別れた夫は、精神科医で 今は
かつて患者だった女性・亜沙実と再婚し
亜沙実の連れ子・冬子との3人暮らし

佐知子は 教習所で知り合った一回り以上年下の
青年教官・犀田と関係を持って3ヶ月近くになる

ある晩、息子の文彦にマンションのゴミ置き場に
ゴミを出しに行ってと頼んだが
そのまま 彼は戻ってはこなかった・・・


帰ってこない息子を思う母の気持ちが痛いほどよくわかって
読んでるこちらまで辛くなってくる
どうしたの? 何があって帰って来れないの?
連絡がとれないもどかしさ。 
焦燥感や不安感が 見事な筆致で描かれています
思わず 先へ先へと ページを繰る手が止まらない!



翌日 佐知子と関係を持っていた犀田が
駅のホームから転落して列車に轢かれて亡くなった
事故なのか?
自分と犀田の情事を知った文彦の仕業なのか?
後ろめたさを覚える佐知子。
息子を疑う気持ちと信じる気持ちのせめぎあい
親の心情がよく描かれています 

複雑に絡む人間関係
精神科医の元夫の再婚相手亜沙実、その娘・冬子
佐知子の交際相手・犀田

亜沙実が受けたレイプ事件
全ての発端はそこにあった

亜沙実は一時期 その事件の精神的影響に、
激しく人格を損なわれ、狂人のようになっていたが
それを救ったのが 佐知子の精神科医の夫だった


亜沙実にまつわる件はエログロで
読むのがつらいシーンもありました
精神病院での狂人ぶりを読むのは怖かった
心に傷を負うきっかけになったレイプ事件の全容も
目を覆いたくなるような内容です
しんどかった~ panda_がっくり

佐知子が 息子の行方を追い、尋ね歩くうちに
少しずつ真実があきらかになっていきます
そして、後半 文彦の友人の父・服部に過去を語ることで
物語が進みます


そして意外な場所で息子・文彦を見つけた佐知子
文彦は生きていた!その驚きよりも
文彦の失踪の理由が意外でした!!
そして 予想もしない人物が犀田を突き落としたとわかる

最初 面白くてどんどん 読み進み
途中 亜沙実の過去が語られる辺りから
重苦しさがたちこめ
最後、意外な人物の告白であっけない幕引き・・・・

そして亜沙実は再び狂気の世界へと入った

文彦の同級生の服部ナズナとその父が物語の箸休め的存在
佐知子が毛嫌いする ちょっとずうずうしいけれど人情味溢れる
バツイチのおっちゃんが 疲れた佐知子に料理を作ってくれるのだが
それが心も体も温まる感じがしてすごくいい味だしてます


あ~~  それにしても読後感が重いわ