happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

「犬たちをおくる日」涙ながらに読了♪

以前 朝日新聞の夕刊に 記事と共に紹介されていて
図書館に予約してた「犬たちをおくる日」 
ようやく回ってきました  朝日新聞記事 ⇒ こちら

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2011.1.18 happyの記事 ⇒ こちら



愛媛県動物愛護センターの取り組みを書いたノンフィクションです

昨今のペットブームに乗って 思いつきで飼い始めたものの
育てきれずに捨てられる犬、猫たち

可哀想、と避妊手術をしなかった為に 望まれない仔犬が殖え
結果 センターに持ち込まれる現状

心が痛い

最後は犬を思う優しい子供が登場して気持ちが救われました
涙が頬をつたいました・・・ 

電車・バス内での読書に注意です



30年ほど前、愛媛県動物愛護センターでは
野良犬をみつけて持ち込んだら
500円で引き取ってもらえたそうです

ある日 小学生がダンボールに入った数匹の仔犬を持ってきた
仔犬の命と引き換えに プラモデルを買う為の
小遣い稼ぎだと言って・・・。

生き物の「死」を、
後ろめたさも無く、お金に換えようとする子供たち

獣医師・渡邉さんの、その時の怒りと悲しみが 
今の愛媛県動物愛護センターの運営に生かされているのですね

愛護センターとはいえ 愛護というより殺処分が中心
そんな 矛盾をかかえて
職員の方々は センターに来た日から
処分されるまでの1週間、犬たちが
快適で穏やかな日をおくれる様に心を砕いておられます

その日々の業務は想像を絶する大変さで
本当に頭が下がります

生きている者をわが手で、死に追いやるほど辛い仕事はありません
が、誰かがやらなければならない

このような仕事をしなくても済む日が来るように
社会全体で考えていなかくてはなりませんね

そのために 愛媛県動物愛護センターでは
広報活動に力を入れ
譲渡会でも 犬を迎える心構えを説き
講習を受けた人にのみ 犬を譲渡しています

譲渡される犬は 新しい主人に可愛がってもらえるように
センターの職員さんが 人間に慣れる様愛情をもってしつけをし、
新しい飼い主さんのもとへ送り出されます


犬は、正しいしつけをすれば 皆から愛される存在になるのに
飼い主が、しつけを怠ったり 間違った育て方をして
結果 バカな犬、言うことを聞かない犬、育てられない、と
処分場へ持ち込むのです
そんな風に育てたのは 自分だということも忘れて。

母犬の元から離れて 心細く寂しい思いで
我が家にやってきた幼い仔犬
ようこそ! よく我が家に来てくれたね
今日から 私がお母さんだよ、よろしくね
ここに来てよかった、と犬に思ってもらえるような飼い主になりたい
一緒に いっぱいいい思い出を作りたい
殆どの人がそう思っていると信じたい

犬を、動くぬいぐるみのように思っている子供には
親がきちんと 糞もするし、吠えたり 
感情があるから、場合によっては噛む事もある、と
きちんと教える必要がありますね

ただ、かわいいと言うだけで飼い始めるのではなく
命を預かるという 責任を持って飼って欲しい


大切なのはペットを飼うという行為ではなく、
ペットを幸せにしたいという心なのだ
」      本文より

子供たちにも そんな思いが届くようにとの思いからか、
この本は 大きな字で 漢字にはルビがふってあります
大人だとすぐ読めちゃいます

これから犬猫を飼いたいと思ってる人たちに
是非読んでもらいたい本です


人間が作り出したペットブームによって
不幸な犬たちが生まれないことを
願わずにはいられません