happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

湊かなえ著「少女」読了♪

湊かなえ著「少女」を読みました
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図書館の本の紹介欄には

高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生から衝撃的な話を聞く。
彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。
その告白で2人の胸にある思いが浮かぶ。
「人が死ぬ瞬間を見たい」。少女たちの好奇心から始まった夏の結末とは?

と、あります。

何が起こるのか?
湊かなえさんが描く 思春期の少年少女は
奥深い心の闇を抱えているので
ちょっとドキドキでしたが・・・

ネタバレあります  

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高校2年生の由紀と敦子のモノローグが交互に描かれ進みます

小学校時代から 同じ剣道教室に通っていて知り合った由紀と敦子

敦子は小6の時に、剣道で全国一の快挙を成し遂げたものの
中学時代 全国大会をかけた県大会で捻挫をして敗退
なぐさめてくれた仲間も 裏では、学校裏サイトで悪口を書いているのを知り
人間不信に・・・。

剣道部の仲間が進む、名門高校に進学するのを断念し、
由紀と同じ 普通高校に進学。

敦子は人間関係を築くのが不器用な女の子。
幼馴染の由紀を心のよりどころにしていた。


由紀は敦子をモデルにした小説を書いていたが
ある日、原稿を盗まれた、盗んだのは・・・意外な人物
内容を知った敦子は 自分の事が書かれていて驚いた

それ以来 敦子は由紀に不信感を持っています

中学校時代、仲の良かった二人の間に
少しずつ微妙な空気が流れ始め・・・。

交互に描かれる二人の言葉に 疑心暗鬼になる心が表れていて
興味深いです!
最初にボタンを掛け違えたところから
どんどん 相手を悪いように悪いように見てしまう二人。

ひとつの事象でも 見方を変えれば 全く違った解釈もできるのに
由紀も 敦子も 悪いようにしか捕らえることができなくなっています

二人が「人の死」を見ようとするうちに出会う人たちが
実は複雑に絡んでいて面白いです。

複雑に絡んだ人間関係
実は、そう繋がってたんだ・・・と後半の種明かし。
前半に張り巡らされてあった伏線に気づかなかったものもあり
へーっと サプライズが最後に。

最後は 敦子と由紀の誤解も溶けて
お互いの良さを確認できてよかった


人の心の中は見えないから
少し疑心暗鬼になり始めたら
どんどん 不安に押しつぶされそうになっていく
それが良くない結果をもたらすことも。

人を信じること、相手と信じあえることができたら、
そして本音で語り合う勇気があれば
由紀と敦子の葛藤も無かったんじゃないか。

最後の最後、転入生の紫織の遺書。
実は、由紀の知る「あの人」と関係があったんだ 
最後の最後でまたまたサプライズ。

このお話は、少女たちの抱える人間関係の縮図ですね。

「告白」のような重苦しさがなく
すいすい読み進める小説です。