4/18に図書館に予約していた
湊かなえ著「花の鎖」を読みました
本の帯には、
毎年届く謎の花束。 差出人のイニシャルは「K」
湊かなえのセカンドステージ始動 と。
湊かなえさんは新たなステージでどんな作風を見せてくださるのか
楽しみにしながら 表紙を開きました・・・。
少女、告白、夜行観覧車、往復書簡など
人間の心の襞の奥深くを描きこんで
胸が苦しくなるようなストーリーが多い湊かなえ作品ですが・・・、
新たなステージとは・・・?
ここから先はネタバレありますので
本書未読の方は[emoji:e-30] 読まないで下さいね [emoji:e-1]
第1章から第6章まで
雪月花の字が入った梨花、美雪、紗月という3人の女性の話が
並行して進んで行きます。
どこでこの3人のストーリーに接点が生まれるのか?
差出人「K」と 梨花の家族との関係は?
「K」とは何者なのか?謎解きをしつつ
先が気になって ページを繰る手がとまりませんっっっ!!
一つの章に花、月、雪の話がそれぞれ収められています
それが第6章まであるのです。
第5章で、3人が、実はどういう関係だったかが明かされ
第6章で 全てが明らかになります
当初、この3人は、友人か、同世代の女性だと思い込んで読んでいたのですが
実は祖母、母、娘の3世代だったのです。
しかも、語られているお話は、同時期ではないのです・・・。
「K」が贈った「花」が手繰り寄せた鎖は
祖母から母、母から娘へとつながる鎖だったのです。
過去に起きた一つの事件が 恋人との確執を生み
どんどんと派生していく・・・
あちこちに張り巡らされた伏線は
エピソードとして語られ
「アカシア商店街」の生花店、和菓子屋さんなどが
共通項として出て来るので、もしや?と
勘のいい人はうっすら気づくかも [emoji:e-77]
何故「K」という人物は名前も明かさずに
毎年 花を贈り続けたのか?
それを受け取り手の「母」は何故そっけなく受け取っていたのか?
祖母が知っていて隠していることとは?
種明かしの第6章が面白いです。
霧が晴れていくように すべてに合点がいって
ストンと 腑に落ちる。
やっぱり 湊かなえさん、うまいな~と唸りました。
ややこしいので、紙に人物相関図を書いて頭の中で整理しました [emoji:e-446]
いつもの ドロドロした内面を描いた作品より
こちらの方が 気持ちよく読めて
しかもミステリー的要素は失われずで楽しめました! [emoji:e-319]
告白とか、夜行観覧車は読んでて苦しすぎますものね[emoji:e-330]
次は先日 テレビで放映されていた
同じく 湊かなえさんの「境遇」を読む予定です。
こちらも セカンドステージの作品なんでしょうか?
楽しみです♪