
著者の代表作「告白」と同じように
ひとつの事件を 複数の第三者が
それぞれの視点から事件を語っています。
書簡形式、告白形式で
独白っぽく 4人の女性たちが事の発端の事件を回想しつつ
自分の罪を懺悔しています。
ネタバレあります ご注意ください

日本一空気のきれいな山間の町で
夏休み中のある日 小学4年生の女の子・エミリが
プールサイドの更衣室で
暴行されて殺されるという事件が起こった。
校庭でバレーボールをして遊んでいた女の子たちに
更衣室の換気扇を修理するので誰か手伝ってくれないか
と、見知らぬ男がエミリを連れ去ったのだった。
警察の捜査にも 犯人の顔を覚えていない、と言い張る子供たち。
そろいもそろって 知らないとは・・・
捜査が遅れることに、苛立ちを隠さないエミリの母・麻子。
中学1年になったある日、エミリの母・麻子が
事件当日一緒だった4人に言い放った。
「あなたたちを絶対許さない。償いをしなさい。」と。
そして大人になった今、
あの事件から今日までをどのように生きてきたかを
語り、手紙をしたためる4人・・・
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ひとつの物事も 見る角度に依って随分違って見えるように
それぞれの立場から 事件当時の心情を語る
被害者・エミリの友人たち
同じひとつの事件を通しても
親の接し方や、家庭環境、性格などが原因で
感じ方や、行動が大きく分かれていきます。
4人が、麻子から受けた圧力で
少なからず あの事件をひきずって生きてきた。
しかし 被害者の友人たちが
トラウマを抱えながら生きてきたとしても
4人が4人とも 今度は自分たちが
殺人に手を染めてしまうというのは・・・
ちょっとありえない~!!
スンナリ入ってこない

彼女たちが罪人に身を落としたことが
「贖罪」になるとでもいうのでしょうか?
読者としては 簡単にああ、そうなのか
あの事件が 人格形成を歪ませたのか・・とは
納得しにくいです!

手法としては 面白いのだけれど
肝心の中身に無理があるような気がして
少し冷めた目線で読み終えました。
先日WOWWOWでドラマ化されたんですってね。
小泉今日子主演(エミリの母・麻子役)
全然 本とイメージ違うし・・・

本読んで ドラマも観た友人が
やっぱり、本のほうが面白かった!と。
こういう 心の内側を描く題材はやっぱり本が面白いよね!