happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

高田郁著 「心星ひとつ みをつくし料理帖」読みました♪

高田郁著 「心星ひとつ みをつくし料理帖」を読みました♪
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私の大好きな みをつくし料理帖シリーズの第6弾です!

いつもながらののんびりした江戸情緒を楽しみながらの読書です 

主人公・澪と周囲の人たちとの心の交流が温かく癒されます。 ほっこり~♪

ネタバレ 含みます  ↓ ご注意ください


今回は主人公・澪の人生に大きな転機が訪れます。

一つは、料理人としての転機
料理人としての器を大きくするには つる家にいてはダメだと
料理番付審判の一柳に言われ 愕然とする澪。
幼なじみの野江が太夫として暮らす、吉原の翁屋から 
料理人として働かないか、と誘いを受けます。
野江を身請けするチャンスかもしれない。
一方、つる家の下足番のふきの、幼い弟が奉公する
登龍楼からの誘いもあります。

野江のためには 翁屋に行きたい。
ふきのためには、登龍楼の誘いも受けてみたい。
どちらを選ぶこともできず 辞退して
結局 澪は、つる家の料理人として生きる道を選んだのです。

もう一つは 女としてどう生きるかの選択を迫られる時が来ました。

ついに澪の想い人、御膳奉行の小松原様こと小野寺から求婚されたのです!!
ずっとずっと 熱い想いを心の内に秘めてきた澪は
天にも昇る心地かと思えば・・・
身分、環境の違い、つる家や料理への思いが
複雑に絡み合って 素直に幸せに浸れない澪が切ないです

そんな時 町医者の源斎先生に 夜道でばったり出会います。

「道が枝分かれして 迷いに迷った時
源斎先生ならどうされますか」と問う澪に

私なら 心星(しんぼし)を探します
あの星こそが天の中心なのです。
全ての星はあの心星を軸に廻っているのですよ。、と源斎。


心星=polar star北極星ですね。
冬のソナタ」でも、「ポラリス」として 登場していました。
北極星は 揺るぎなくいつもそこにあるものの象徴ですね~♪

「悩み、 迷い、 思考が堂々巡りしている時でも
きっと自身の中には揺るぎないものが潜んでいるはずです
これだけは譲れないというものが、
それこそが その人の生きる標となる心星でしょう。

という、源斎の言葉に 料理人として生きていく決意を固めた澪。

身なりの貧しい若者が つる家に来て話している。
「懐を気にしながらも ここで旨い料理を口にすると
それだけで息がつけるんだ、まだ大丈夫だ、 生きていけるってな」
そんな 自分の料理への賛辞
自分が作った料理が 人々に生きる勇気を与えている・・・
若者の言葉を聞いて こっそり涙をぬぐう澪。

やはり、料理の道を選んだのは、間違いではなかった。
そう、澪が確信するシーンに 私の目頭も熱くなるのでした。

澪自身、周囲の人たちの温かい心遣いに守られて生きているけれど
澪もまた 周囲の人たちのことを自分のこと以上に考え
身を裂かれるような思いに苦しんだけれど

源斎の言葉に、まっすぐ自分の進む道を見出した澪。
シリーズもずいぶん進みました。
今後の展開がますます楽しみですっ!!!

それにしても 人情が心に沁みる、みをつくし料理帖シリーズです。

過去の感想に興味を持ってくださった方は、
ご面倒ですが ブログ内検索「みをつくし料理帖」で探してくださいませ