諏訪哲史著 「領土」を読みました。
2012年1月29日、朝日新聞の読書欄に紹介されていた本です。
その日のうちに図書館に予約をいれ このたび回ってきました。
asahi book com
333ページ、ボリュームありますが 余白が多いのですぐ読めます
10編の短編小説が収められているのですが・・・
小説のスタイルのものから ポエムに近いものまであります。
この本の後書きに、最初これは「詩」ではないのか?と言われた、とあります。
最後の作品「先カンブリア」は 短い文章の羅列、
空白と改行を多く取っているために リズムが生まれ
歌(歌詞)のように 言葉がさらさらと流れていきます。
これは・・・小説というより、著者の心象風景を映し出した文章というべきかも。
とにかく、独特の世界です。
それは少し、麦焼酎「二階堂」のCMのような
ノスタルジックな世界。
ダリの絵のような幻想的な世界。
セピア色のフィルターがかかったような薄暗い世界。
低い雲が垂れ込めた 晩秋のスコットランドの荒野のような・・・
(あくまでも イメージです)
本の装丁が絶妙にマッチしていますね~♪
ページの端が黒いのが 陰気な感じで この本に合ってるわ。
頭の中に時空を超えた異空間が広がっていきます。
作者が描き出す 想像したこともないような 独特の世界を
想像しながら読むのも なかなか楽しい。
(グロテスクで気持ち悪い作品「花電車」などもありますが・・・)
一般受けする作品ではないと思いますが、
私はこの ノスタルジックな感じと
大人のメルヘンみたいな作風
文語調のリズムある文章は好きかもです!
芥川賞作家ならではの、チャレンジ精神に脱帽です!
文学的テロリストと呼ばれている
諏訪哲史さんの対談はこちら ⇒ 話題の著者に聞いた“ベストセラーの原点
他の作品も読んでみたいような、みたく無いような・・・