宮下奈都著 「誰かが足りない」読みました♪
2012年 本屋大賞 7位の作品です
現代社会で 閉塞感を感じ 生きづらい人生を送っている6人の
何気ない日常を描く短編集。
6つの作品 予約1~6までがおさめられています
どの作品にも ちょっとしたボタンのかけ違いで
人生の軌道から少しずつはずれてしまった人たちが登場。
うん、あるある、と言いたくなるような シチュエーション、
どこにでもある日常のひとこまが鮮やかに描き出されてリアル。
作者は、それらの人たちに温かいまなざしを向けて
主人公たちが、新たな希望を見出すところでお話は終わります。
その街で一番おいしくて予約がとれないレストラン「ハライ」
登場人物が、生きる希望を見出したとき、
そうだ、「ハライ」に予約しよう、と
新たな人生のスタートを切る場所にハライを選ぶのです。
かくして 10月31日、
6組の 短編の主人公たちは寄寓にもレストラン「ハライ」で顔を合わします・・・・
誰かが足りないと、満たされない思いを抱いていた登場人物たちは
実は 誰かが足りないことで、 誰かを待つという喜びを知ります。
「足りない」ことは 決して哀しいことじゃないんだ、
足りないものが訪れるのを待つ、という楽しみがあるじゃないか・・・
と言う作者のメッセージが込められています。
心の中にポッと 灯がともるような
やさしい気持ちになれる 素敵な短編集でした。
おすすめです!