2007年度本屋大賞・第5位の
有川浩著 「フリーター、家を買う。」を読みました。
2010年に嵐の二宮くん主演でドラマ化もされた作品です。
著作は 本屋大賞5位ですし、ドラマも数々の賞を受けています
テキトーに生きてきた 根気のない青年が成長していく姿が
爽やかに描かれていて 読後感スッキリ♪
登場人物は、どこにでもいそうな人たち。
交わされる会話も、どこかで聞いたような
ありがちで…要するに ものすごいリアリティがあります。
会話など読んでいると 身につまされる部分もあってドキっとしたりも。
これから就職する、多くの若者に読んでもらいたいな、って思いました。
就職試験に臨む時のちょっとしたヒントがたくさん出てきます。
5章からなっていて、
1~3章 フリーター、立つ→奮闘→クラスチェンジ
4~5章 元フリーター 働く→家を買う
そう、第3章で、主人公・誠治は、就職するのです!
本を読むまでは、フリーターにローンが組めるのか?とかいう
軽い疑問もあったのですが…
誠治は、母が心を病んでから、それまでの我慢のない「テキトーな人生」を改め、
家族の問題に真剣に向き合い、キツイ仕事も進んでするようになります。
それらの行動が結果的に、人生を好転させるきっかけになり
建設現場で、主任として働けることになったのです。
亭主関白で気難しくて煙たい父。
そんな父に子供の頃から愛想を尽かして厳しく当たる姉。
ご近所付き合いが上手くいかず、夫にも我慢を重ねる物静かな母。
そんな 家族を見て見ぬふりをしてきた主人公・誠治
そんな家族の再生の物語でもあります。
フィクションなので、世の中、そんなに上手くいくかい!!と
思う節もあるのですが ストーリー運びがうまくて読まされます。
全編を通して 温かいものが流れている秀作です。
さすが、本屋大賞5位入賞作です!!
ドラマの方は観てないのに語るのもはばかられるのですが、
キャスティングにうるさい私が思うに
母親役の浅野温子さんに違和感。
彼女のイメージは芯が強くて「できる女」。
夫から心が弱い、と言われ、家族の犠牲になって
心を病む「寿美子」は似合わないように思うのですが
如何でしたでしょうか?