happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

池井戸潤著 「下町ロケット」 読了~♪

第145回直木賞受賞作 第24回山本周五郎賞候補作品、

池井戸潤著 「下町ロケット」 読みました♪

  

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良かった~!! 泣けた~!!! 

大企業の思惑に翻弄され、倒産の危機にあった佃製作所が、
ロケットエンジンの供給に挑む──。
町工場の技術、意地、そして情熱を胸に、
大宇宙への夢を紡ぐ男たちの熱きドラマ!

   ⇒ 小学館のHP 「下町ロケット」


圧倒的な爽快感に、絶賛の声!… これを読まずにいられるか???

ネタばれ あります ご注意ください [emoji:e-1]

種子島宇宙センターから実験衛星が打ち上げられようとしていた・・・。
そのロケットに搭載された大型水素エンジンは
主人公・佃 航平の 研究テーマの結晶であった。
ときおり入る カウントダウンが緊張感を高めます。

打ち上げ後ほどなくして、ロケットは軌道をはずれ
保安措置として、爆破されて海の藻屑と消えた・・・。

プロローグから、もう泣きそうなんですけど?

+ + + + + + + + + + + + + + + +

あの打ち上げ後、研究室に居辛くなった佃は、
父の後を継いで 下町の工場の社長に収まっていた。

突然、大手取引先から 取引停止を言い渡され 
会社の先行きを憂えていた矢先、
同業者のナカシマ工業から 特許侵害で訴えられてしまった。

技術力では勝るとも劣らない佃製作所だったが
特許申請に穴があり そこを突いてきた形だった。
彼らの目論見は 中小企業でお金に困っている佃の足元を見て
裁判で兵糧攻めにして 和解に持ち込み
佃を傘下に入れて 佃の技術を我が物にする事。

中小企業を見下す、ナカシマの社員の 言葉、態度にいちいちイラッ[emoji:e-262]

佃は、元ナカシマ工業の顧問弁護士に依頼して新たな法廷戦略を練り・・・
逆にナカシマを特許侵害で訴えて 和解金を手にしたのだった!

あ~! 胸のすく思い!! 

同じ頃、やはり佃製作所の 水素エンジンのバルブシステム買収を狙う
超大手企業・帝国重工が、アプローチしてきた。

国産ロケットを開発する帝国は、スターダスト計画を打ち出し、
全てを自社製品にすることを宗としていた。
ロケットの水素エンジンの燃料供給に必要な、
佃のバルブシステムの特許を買いたいと提案してくる。

佃社内では、和解金が入ったものの先行き怪しい経営状態ゆえ
売るべきだ、という意見と 売ってしまったら最後だという意見に分かれた。
佃自身は、もと研究者の立場から このシステムをいつか
何かに生かしたいという夢を捨てきれず、
帝国に製品納入ではどうか、と持ちかける・・・。

ここにも、タッチの差で 佃製作所に特許申請で負けた
帝国重工の富山という嫌な研究者が出てきます。
佃製作所を陥れようと画策しているっ[emoji:e-442]

佃の製品納入を阻止するため 必要以上の検査を課すのだけれど
それは、「落とすための検査」で 
帝国の社員がよってたかって あら捜しをする様にまたまた イラッ[emoji:e-262]

しかし佃製作所の社員は、一丸となって
帝国の要求どおりの 試作品や 資料を整える。
「佃品質 佃プライド」というスローガンを掲げ、
熱き思いを胸に 頑張る社員の姿は
NHKの人気番組だった「プロジェクトX」を彷彿 泣ける~

検査段階で不具合が発生して、
やはり中小企業はだめだ・・・との審判が下りかけた時、
実は 帝国の側に問題があることがわかった。

最終章、帝国社内での会議で佃製作所のバルブ納入を決定するくだりは
涙なくしては 読めません。

そして エピローグ、再び 種子島宇宙センター。

佃製作所のバルブシステムを搭載したロケットが
発射台を離れて 空へ吸い込まれていく・・・
もう 感動で胸が痛い。 熱い涙は流れるままにしておく・・・・


今また この感想を書くために ちょっと読んだらまた泣けてきて・・・

でも キャッチコピーに偽り無し、の爽快感!

佃製作所の面々、 ナカシマ工業の社員、 帝国重工の社員・・・
皆、キャラクターがしっかりしていて
ストーリーの中で生き生きと動いています。

ハラハラどきどき、そして 温かい人間関係・・・
もう、ページを繰る手が止まりませんっっっ!!

お勧めの一冊です!!