happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

中脇初枝著 「きみはいい子」読了♪

中脇初枝著 「きみはいい子」を読みました。

          13e5d3fc.jpg




新聞の本の広告にも
「はやくも今年度No.1との呼び声高い話題作!」
大反響7万部突破(2012.10.7現在)とあります。

Twittertwitter.gifで、つぶやいて
書店員さんたちがこの作品を盛り上げようとしているらしい。
ならば、本屋大賞のベスト10に入るかも…? 


読書の声は、
頭が痛くなるほど泣いた、とか この本に出合えて感謝、とか
感動されてる方もいらっしゃいますが…


私は泣けませんでしたっ!(`・д・´)  期待してたのに…。orz


ネタばれあります 

短編5編が収められています。

その全てが少しずつつながっているという連作小説。

新興住宅地・桜ヶ丘での5つの出来事。
それは 児童虐待であったり ネグレクトであったり。
そして 親から子へ、虐待の連鎖がある。


読んでいて心が痛みます。

が、

どれもこれも 虐待で事件になった時、
ワイドショーや新聞、週刊誌などで語られた
どこかで聞いたことのある話に肉付けして書いたかな、って
冷めた感情でもって読みました。

特に 1作目の「サンタの来ない家」では
新米教師が、自分の受け持ちの学級の中にいる
虐待&ネグレクトの可能性のある児童に対応する話は・・・
えっ? 最後・・・それでいいんかい?って疑問に思いました。


5作の中で一番良くできてるなと思ったのは「べっぴんさん」
自分自身も 虐待されて育った女性は
自分が親からの虐待を受けていた子供の頃を思い出しながらも 
わが子を叩いてしまう。

どこの母親だって 公園ではやさしい顔を見せていても
一旦家に帰れば、自分と同じ虐待母なんじゃないか、と
疑っている。

子供がイラッとさせる行動をとったときの 
心の動きを描くのが上手いなと思いました。

子供を育てたことがある人なら 誰でも多かれ少なかれ
こういう ザラっとした気持ちになることがあると思うので・・・

でも 近所のおばあちゃんに「べっぴんさん」と
声をかけられ、抱きしめられることで
自分の存在価値を見出し、生きることができたのでした。





子供には罪はないのです、それなのに
虐待されている子供は 
自分が悪い子だから虐待されるんだと思っています。

どこかでボタンを掛け違えて ずっと親子関係がギクシャクしても
子供は一人で生きてはいけないから
どんなことがあってもまっすぐに親に愛情を向けて
無心に甘えて 素直に感情をぶつけて来ます。

それを受け止めていくのが親の務めであり
良くするのも 悪くするのも全部 大人である親の責任だと
改めて思いました。


自分を守ってくれるはずの親から 見放され、
虐待までされ (悪くすれば命まで奪われ)
心も傷ついている子供たちが たくさんいるのですね。


そういう子供は密室において育てられることが多いので
周りの大人が気づきにくく
「きみはいい子」といって 抱きしめてあげることもできない。

実際、もし そんな子供が身近にいても
実の親とのトラブルを恐れてしまい、
簡単にできる問題ではないとは思いますが・・・。
 
ただ 子供は社会の宝だから
親だけでなく、地域のみんなで見守ってあげられたらいいな、と
心から思いました。