イヤミスの女王として、注目を集め、
今をときめく湊かなえさんの最新刊「白ゆき姫殺人事件」を読みました。
湊かなえさんといえば、
誰しもが抱える心の闇を炙りだすのが上手な作家さんですよね。
だからこその身近に「起こるかも知れない」怖さがあるのですが。
今回読んだ「白ゆき姫殺人事件」は、そういう心の闇とか
あるかも知れない、という怖さは希薄で
湊かなえ作品にしては、
私的には、あっさりした内容に感じました。
映画にもなった「告白」や、
今、TBS系列で放送中の「夜行観覧車」のような衝撃はありませんでした。
ひとつの事象でも見る角度によって違って見えるという、
物事の多面性を、「告白」という形で描きだすという点が
湊かなえさんならではの手法です。
ひとつの事象も、見る人によって、
その人の私観が入ることで、随分と印象が変わってくる、
というのを見せられて面白いです。
人間、どんな人でも多面性を持っているので、
人によって自分に対する評価や印象が異なっているんだということを
改めて思い知らされました。
自分のことも、他人から見たら、いろんな捉え方をされているのかも…?
そう考えると、湊かなえさんの作風である
「地続きの怖さ」=自分にもありうるかも知れない、が
この作品にも生きているのかもしれませんね。
登場人物たちが語る内容が、後になってみれば
全て符合していて、なるほど[emoji:e-77]と感心されられます。
まだ読んでない方は
「白ゆき姫殺人事件」、「白ゆき姫って??」と思われますよね?
殺された女性が白ゆき姫のように美しく…
働いていた会社が作っていた商品が「白ゆき」という石鹸だったんですね~