happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

原田マハ著 「楽園のカンヴァス」読了~♪

第25回山本周五郎賞受賞、第147回直木賞候補、第10回本屋大賞第3位。
楽園のカンヴァスを読みました

    楽園のカンヴァス


面白かった~

途中まで読んで中断しても、早く続きを読みたくてしかたない!
早く、あの「楽園のカンヴァスの世界」に戻りたい!って思うような作品でした。

大原美術館の監視員の早川織絵の元に
日本でアンリ・ルソー展開催を企画している新聞社からコンタクトが。
MoMAニューヨーク近代美術館)のルソー作「夢」の
貸出交渉窓口をオリエ・ハヤカワに、とMoMAのチーフキュレーターご指名だと。


早川織絵…約30年前、アンリ・ルソーの若き新進研究者として
国際美術史学会に名を馳せていたのだった。

舞台は1983年へ…。


重要なネタバレあります。未読の方はご注意ください 
(自分の読書記録用のため 



MoMAにある、アンリ・ルソーの「夢」に酷似した
「夢を見た」というルソーの作品の真贋を見極めて欲しい、と
幻のコレクター、ジョセフ・バイラーからの招待状を受け取った
MoMA・アシスタントキュレーターのティム・ブラウンと
日本人ルソー研究家 早川織絵

キュレーターとは? → キュレーターWikipedia

スイス・バーゼル在住の大富豪にして 96歳の名画コレクター、
お城のような自宅豪邸、執事、曰く有りげな法定代理人
謎の美人インターポール…と役者が揃えば
ルパン三世」劇場版アニメの世界? 

読んでみれば、アンリ・ルソーの生涯とその作品
ルソーとピカソの出会いなど
ルソーと大富豪の意外な関係…などが、描かれ

この作品の中では、「夢を観た」という作品の真贋を見極める
ミステリーのような展開で
登場人物たちと少しずつ謎を読み解いていくプロセスが楽しいです!

著者の原田マハさんは、ご自身が美術館勤務経験者で
ご自分の経験と知識を元に書かれているので
グイグイと読者を惹きつける力があります

原田マハ Wikipedia



ひとたび読み始めたら、その独特の世界に引き込まれます。
頭の中は、1983年のスイス・ヴァーゼルの富豪の豪邸か
1908年のパリのルソーのアパルトマンか。
想像の世界に遊ぶのが楽しいです
まるで映画を観ているかのような錯覚に陥ります。


いろいろな作品が語られるので、頭の中がバーチャル美術館

ご参考まで → 原田マハ著『楽園のカンヴァス』に登場する絵画のまとめ
このサイトでは、この作品に登場する絵を観ることができます 

作者不詳の「夢をみた」という物語を1週間かけて読み進み
真贋を見極める、というのが二人に課されたルール。


売れない画家だったルソーと 誰もが知っているピカソとの関係が
読み解かれていきます。



近代美術史がよくわかって面白いし
美術館と、美術展を企画するキュレーターの仕事など
今まで知らなかった職業のことも知れて興味深かったです!


実際、実在の作品に付いて語られる部分が多く
ルソーの「眠れるジプシー女」などは美術の教科書に載っていたので
知っているのですが
作品の絵の描写を読みながら どんな絵かな?と想像するのも楽しいです♪

作者の仕掛けた伏線が、最後に見事に回収されて
ほのかなティムの恋心なども織り交ぜて じんわりと胸に響きます!


=== ここからネタバレ ===


物語から、若き日のピカソは、ルソーを敬愛していたことがわかった。
自分が描いた「青い母子像」の上に 自分の絵を描けばいい、と
特大カンヴァスをプレゼントしたピカソ
ルソーの絵の下には、ブルーピカソが隠されているのか?
それは謎のまま。

オークションが、ピカソの絵を狙っていた。
ルソーの絵を削ってピカソの絵を売買するつもりなのだっ。
その手先として送り込まれたのが早川織絵だった。

結果、ルソーを愛する研究者の織絵とティムは、
ルソー作品を守り通す術を図る。

ティムが最後に分かったこと。
物語の作者は、富豪のバイラーの妻で、
「夢をみた」に描かれている女性・ヤドヴィガ、その人だった。

こう繋がってたのね~

ティムに接触してきたインターポールのジュリエット、
実はバイラーの生き別れの孫。

ルソーに傾倒する祖父の影響で ルソー作品を守ろうとしていた。

ハンドリングライト(取り扱い権利)を得たティムは、
ジュリエットに権利を譲ることを決めた。


不思議だった。もう何百回となくこの絵を見ているのに、
見る度に新しい発見がある。
絵肌(マチエール)の輝き、モチーフの放つ力、
吸い込まれるような奥行きのある構図。
見る度に思いは深まっていく。     (本文より)


甘き夢の中 ヤドヴィガは
やすらかに眠りに落ちてゆく
聴こえてくるのは 思慮深き蛇使いの笛の音
花や緑が生い茂るまにまに 月の光はさんざめき
あでやかな調べに聴き入っている 赤き蛇たちも

                ルソー作 (本文より)

こんな文章を読んだら、今すぐ
表紙絵の「夢」を観に、美術館に行きたくなっちゃいますね~♪

ちょっと遠いけど