happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

木皿泉著 「昨夜のカレー、明日のパン」 読了♪

2014年本屋大賞 2位 
木皿泉著 「昨夜のカレー、明日のパン」を読みました。

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本屋大賞にノミネートされた頃に図書館に予約していて
ようやく回ってきました。

本屋大賞では、話題の「村上海賊の娘」に次ぐ2位。

タイトルから、内容が想像つかなかったけど、
若くして未亡人になってしまった「テツコ」と 舅=義父の「ギフ」の
不思議な同居生活。
二人と二人を取り巻く人たちの温かいドラマが
連作短編小説という形で紡がれていきます。

最終章で、タイトルの意味が明かされて、
じわ~っと温かいものが胸にひろがります。

なるほど! だから 本屋大賞2位だったんですね♪

25歳という若さで テツコの夫・一樹は亡くなってしまった。

一樹の母は、既に亡くなっていたので、
残された テツコとギフ(=義父)は、そのまま同居生活を続けていました。

二人の会話がゆる~~~いです、で、ほのぼのしています。

テツコの会社の同僚・岩井がテツコに思いを寄せているけれど
最終的に、テツコとギフが暮らす家には、
それぞれの役割がきちんとできていて
自分の入り込む隙はない、と諦めるのです。


テツコやギフを取り巻く人達が ほわんわか温かくて
登場人物の何気ない会話がリアルで
すーーっと、心のなかに入ってきます。

そして そんな会話の中に 
亡くなった一樹との思い出が織り込まれていて
一樹がどんな人間だったのかがおぼろげに見えてくるのです。

皆、亡くなった人の思い出を共有していて
それぞれの登場人物をつないでいるのです。

一樹は亡くなっても 皆の心のなかに生き続けています。
穏やかな暮らしの中に 一樹の死が溶けこんでいるから
哀しいはずなのに 温かくて。

最後にテツコと一樹の馴れ初めが語られて、
すべてここから始まったんだな~と
感慨深いのです。


木皿泉さんて、脚本家ご夫婦二人の共同のペンネームなんですね。

「やっぱり猫が好き」「野ブタ。をプロデュース」や 「おやじの背中」などを
手がけておられた脚本家だけありますね!

登場人物が活き活きしていて、
会話が自然に流れていて 読んでいて楽しかったです。

そして、10月5日から NHK BSプレミアムでドラマ放映♪