happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

東野圭吾著 「秘密」 読了♪

いろいろ忙しいけど 電車で移動の時間を利用して
東野圭吾著 「秘密」 を読みました。

1998年9月刊行、
文庫本は2009年発行ですけども かなりくたびれてますね~^^;

        秘密


東野圭吾さんと言えば 作品が映画化やドラマ化され
人気のミステリー作家ですが

東野圭吾の名前を世に広めたのがこの作品だそうです。


妻と娘を乗せたバスが崖から転落。妻の葬儀の夜、
意識を取り戻した娘の体に宿っていたのは、死んだはずの妻だった。


                    巻末 文春文庫 東野圭吾の本 紹介文より


普段のミステリーは、トリックを見破ったり
だれが 犯人なのかと目星をつけながら読むのが楽しいのですが
この作品のキモは 事件の犯人探しではないのです。

体は10歳の娘・藻奈美、けれど 精神は、妻の直美。
何かの拍子に 妻の魂が藻奈美に宿ったようなのです。

アホらし。 荒唐無稽すぎる!
読むのやめようかな、と思ったのですが
結局いつものように ストリーテラー 東野圭吾に、
読まされてしまいました。


妻の直子が 娘の体を借りて 部活や受験勉強にうちこむ姿を
眩しく思う反面
第二の青春を楽しんでいる直子に
置いてけぼりを食った気になって落ち込んだり
男子学生からかかってくる電話に心をかき乱されたり
やり場のない嫉妬心に苦しむ主人公・杉田平介 .39歳。

自分は、夫なのか父親なのか。

主人公・平介の心の揺れも読みどころです。

事故を起こしたバスの運転手にまつわる「秘密」は、

亡きバスの運転手の思いを知ると切なく
生き別れた息子への思いが 胸熱。

時を経て
藻奈美の中の直子は、姿を消し
本来の藻奈美が藻奈美自身になったとき

平介は 今度こそ本当に妻を失ったことを知るのです。

キャッチコピーは『運命は、愛する人を二度奪っていく

にゃるほど


ラストシーンは、藻奈美の結婚式の日。

娘の結婚については ちょっと都合良すぎませんか、という
ストーリー展開ですが
読後感は爽やかです。


人格が入れ替わるところは、
多重人格のお話
「24人のビリー・ミリガン」や 百田尚樹著「プリズム」を
思い出しました。