桐野夏生著「だから荒野」一気読み~♪
先週一週間、仕事の大詰めを迎えてバタバタしてました。
昨日その集大成とも言えるお集まりがあって
せっかくのホテルディナーだったのに・・・
来賓席だったから写真撮れず orz
今日は1日ダラダラしてやる!っていう意気込み?で
お天気がいいのに、朝っぱらから 読書♪
同僚に、面白いよ、と教えてもらった
桐野夏生著「だから荒野」を読みました。
本の帯には、
捨ててみないとわからないことがある。
46歳の誕生日。
身勝手な夫や息子たちと決別し、
主婦・朋美は1200キロの旅路へ―――
家族という荒野」を生きる孤独と希望を描ききった
桐野文学の最高峰!
46歳の主婦 朋美のお誕生日の日に始まった
家族の崩壊と再生の物語です。
朋美は新宿のイタリアンを予約してあったのに
息子二人は気乗りがせず、行かねーよ、と直前にゴネる。
夫の浩光と息子は朋美の気合が入った化粧と洋服を
引く~~~と、あざ笑う。
お酒を飲みたいのはお互い様なのに 誕生日の朋美に運転させ
お店に着いたら着いたで 安っぽい店、と馬鹿にする。
プレゼントは当然なし。
優しい言葉どころか、神経を逆なでするような言動を繰り返す夫を描いて・・・
早速、読んでるこちらのイライラもMAX~~~~!
おぉ! つかみはOK!!!
私まで読んで、プンプンしてたら、
朋美はスクっと立ち上がって 男どもを置いて
一人車で帰ってしまいます
胸の溜飲下がる~~!
そして朋美の家出・・・というか大冒険?が始まるのでした。
これ、NHKでドラマ化されてたんですね~
知らなかった。
◆関連リンク
プレミアムドラマ だから荒野 (NHK ONLINE )
ネタバレあります、ご注意ください。
夫名義の車で
とりあえず 結婚前に付き合っていた男性の郷里・長崎を目指す朋美。
あろうことか 途中のSAで車を盗まれ 身ひとつに!
ヒッチハイクで謎の老人の車に拾ってもらい長崎へ!!
その老人宅に居候させてもらう朋美、
東京の家族から離れ 転がり込んでくる次男!
と、ありえない展開なのですが
イキイキとしたリアルな会話が面白く、引きこまれます。
家族それぞれの描写がどこの家庭でもあるような
会話やイラっに苦笑
夫の会社の同僚や、ゴルフ仲間 ご近所さんら 二人を取り巻く人たちとの
シーンも、こんなことありそう!って いう リアルさで、
目に浮かんで面白いです。
だから ページを繰る手が止まらない~~~~
桐野夏生さん上手い~!
作品は 妻目線で描かれた章と 夫目線で描かれた章が
交互にありますが・・・
桐野さんはやっぱり「朋美=女性」目線で書かれてるようです。
浩光みたいに嫌な夫だったら・・・
即刻離婚だーーーーーーーーーーーーーーー!!
「捨ててみないとわからないことがある」
失って初めてそのありがたさが分かる、という事、ありますね!
この夫婦はどちらも 「自分が相手を捨てた」と思っていて
ちょっと滑稽です。
「奥さんが突然出て行かれた、もう帰ってこないだろう。
あなたは簡単におっしゃるけどね。それって大変なことですよ。
家族の一人がいなくなったんだから、これまで辛うじて
バランスとれていたものが、
一気に崩れていきます。はっと気付いた時はもう遅い。
何もかもががらがらと音を立てて壊れた後だ」
(本文より引用)
行きつけの飲み屋の常連客に言われた言葉です。
今、ガラガラを音を立てて崩れていく途中なのだ、
食い止めなければ・・・
息子からも 自分本位で冷たい、と言われる浩光が
ようやく 気持ちを奮い立たせて プライドを捨て
悔しさをにじませながらも 譲歩して「家族」を取り戻そうとします。
最後は、意地の張り合いはやめて、
やり直そうと 新たなスタート地点についた所で完。
希望を抱かせるラストでほっ♪
面白かった!!
家族は、
家族という名前だけでは、本当の家族ではない儚さがある気がします。
現代の個を重視する時代には
家族の一人ひとりが家族を意識して
つながりを大切にしないと
あっけなくバラバラになってしまうのかも知れない、と
この本を読んで思いました。