本屋大賞ノミネート作品が発表になった時に
図書館に予約していた作品です。
辻村深月著 ハケンアニメ! 読みました。
第3位にふさわしい 心に響いてくるお話でした。
表紙がごちゃごちゃしていて インパクトがないのがもったいないけど
CLAMPという女性漫画家集団が描いているそうです。
ネタバレあります、ご注意ください
ananに、連載されていたものを作品化。
本になるのを待っておられた方も多いようです。
ハケンアニメ、とは漢字で書くと 覇権アニメ。
そのシーズンで一番人気のあった=覇権を取ったアニメをさすんですって。
で、3人のアニメに携わる女性が登場します。
みんなアニメが大好きで、熱くて作品にまっすぐです。
スタジオえっじの制作プロデューサーの有科香屋子は
自分がかつて夢中になったアニメ
「光のヨスガ」の作者にして、覇権を争うアニメ業界の寵児
イケメンで 天才肌の王子千晴に 制作を頼み込みました。
わがままな王子に振り回されっぱなしの香屋子。
ついに!「電撃戦隊 リデルライト」を4話で放り出して 王子失踪!!
香屋子とともに ハラハラ・ドキドキ、イライラ・・・
王子が戻ってきた時には 私の頬にも熱い涙がハラハラ・・・
香屋子と一緒に 安堵と感動の涙に濡れました。
一方 大手 トウケイ動画(東映動画のモジリ?)の行城(ゆきしろ)は、
アニメーション監督の斎藤瞳とともに
「サウンドバック 奏の石」を売り出し中。
声優、クリスマス商戦のおもちゃ、DVD売上、ポスター、放映枠
アニメと一口に言ってもたくさんの人の手から生まれ
たくさんのビジネスが絡んでいるのだな、と
改めて 思い知りました。
アニメーションには セル画の他に 原画がありますが
「神・原画」を描く アニメーターの並澤和奈が
サウンドバック 奏の石 通称「サバク」を描いています。
彼女のスタジオは 新潟。サバクの舞台がちょうど和奈の住んでいるところでした。
アニメファンの「聖地巡礼」を
地方自治体の活性化につなげようとする 役所の宗森の熱意と
彼の人柄に、心を開く和奈にもじーんとさせられます!
土地の祭りにサバクの「舟」を出すことになります。
お祭り当日には大勢のファンが詰めかけて・・・
伝統の祭りの歌を歌いに駆けつけた声優、
唱和する大勢のファン、心が一つになって川面に響いていく・・・
あ・・・ふいに今でも涙・・・。
人のつながりの大切さが身にしみるシーンでした。
実は、後の種明かしで この宗森
王子千晴の後輩なんです。
他にも あの人が?という種明かしあり。
体育会系のノリについていけない和奈も
実直で 愛される人柄の宗森に心を開いてラブの予感♪
最後には
たくさん張られた伏線も回収、きちんと符合してスッキリ!
温かいものが心の中に広がって
読後感爽やか!!
軽く読めるのに、心の琴線に触れる部分がたくさんあって
さすが辻村深月さん! うまい!!
アニメファンのかたにはぜひ読んでいただきたい作品です!
私はアニメには詳しくないので 目からウロコがポロポロ…
物知りになった気分です!
うん、さすが本屋大賞第3位。 おすすめです!!
林真理子著「野ばら」 原田マハ著「奇跡の人」も読んだので
そのうち感想UPしま~す♪