happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

本屋大賞2015 第4位「本屋さんのダイアナ」読みました♪

この度の大雨で大きな被害が出ています。
被災された皆様に 心よりお見舞い申し上げます。
一日も早い復旧をお祈りいたします。


書くの疲れる割に 面白くもなんともないし アクセス下がるし
記録したという自己満足だけが支えだけど 久しぶりに読書ネタいってみよう!


本屋大賞2015 第4位 柚木麻子著 「本屋さんのダイアナ」を読みました。
[emoji:e-1] 斜体字は、本文より抜粋部分

       本屋さんのダイアナ

読書は、本屋大賞受賞作を中心に読んでいます。
先日 感想をUPした「ハケンアニメ!」が 本屋大賞2015第3位でした。

5位以下も 現在図書館に予約中~♪

うん、さすがに本屋さんが売りたい作品だけあります!
勇気もらえる、元気が出る、温かいものが胸に広がる・・・そんな作品でした。

本の帯には
「自分を受け入れた時 初めて自分を好きになれる
現代の赤毛のアン

私の呪いを解けるのは、私だけ

今、何かに囚われて 生きづらさを感じている人
一歩を踏み出せなくて、
殻を破れなくて もがいている人にも 勇気を与えてくれる本です。

主人公 矢島ダイアナは小学校3年生。

・・・って… この小説私が読んで、面白いのかしら?と思ったけど
小学生から 大人へと成長していく過程での
友人 彩子との人間関係や それぞれの成長が描かれていて面白かったです♪


矢島ダイアナ、漢字で大穴と書きます。
親がふざけてつけたような名前が恥ずかしく、からかいの対象にもなるので
いつも小さくなって生きています。

しかも、母親が彼女の髪を金髪にするので ますますからかわれてしまうのでした。

ネタバレあります。未読の方閲覧注意。

そんな時、正義感の強いクラスメートの神崎彩子がいつも助けてくれました。
彩子は優秀で正義感にあふれ 家はお金持ちで 優しいお父さんと
自宅でお料理教室をしている おしゃれなお母さんと素敵な家に住んでいる
絵に描いたような幸せ家族。 ダイアナの憧れでした。

ダイアナの家は生まれた時から父がおらず
16歳でダイアナを産んだ母親は
自分のことを「ティアラ」と呼ばせて キャバクラで働いています。
金髪を高く結い上げ、ヒョウ柄のジャージの上下を着て長い爪のお母さん。
いつもコンビニで買ってきたものを食べ 家の中は
ティアラがデコった キラキラな小物でいっぱいです。

隣の芝生は青い、ダイアナが彩子を憧れるように
彩子も 可愛い物がたくさんあって ゲームし放題の
自由なダイアナの家庭を羨ましく思っていました。

ダイアナの母ティアラは、
彩子と同じお嬢様学校受験をしたい、と言えば

あそこに通うのは苦労知らずのお嬢様ばっかりじゃん。
少しでも変わった子がいたら爪弾きにされるんだよ。
親や先生もそう。
人の中身を観ずに 外見や親の職業で判断するようなのばっかり。
自分たちは絶対正しいって思い込んでて
そのくせ狭い世界から出ようとしてない弱虫の集まりだよ。


バッサリ切り捨てた!
ハスッパなもの言いや 態度に最初は 何?この母親、と思いますが

読み終わる頃には ティアラの半生を思うと
なんて強くて 一本芯が通った 頭のいい人なんだろう、と
憧れさえ抱いてしまいます♪

かっこいい!
実は 後にティアラも山の上女子学園出身でイギリス留学経験ありと判明


ある時、自分の名前が変だから 友だちができない、と愚痴ると
同級生に お前が一人ぼっちなのは 名前のせいばかりじゃない、と言われてしまいます。

自分から心を開かないと、そして相手を信じないと
友達はできないんですもの、
他人や名前のせいだけではないんですよね♪

地元の中高に進んだダイアナと
お嬢様学校から有名私大に進んだ彩子

受験の時の小さな誤解から 別れ別れになり
全く違う人生を歩むことになった二人。
そんな二人は

作中作 「秘密の森のダイアナ」という児童書でつながっていました。

ダイアナは、この主人公と同じ名前で このお話が大好きでした。
主人公のダイアナが 自分の呪いを解いて 心を開放するシーンが素敵です。

彩子もまた、この本が大好きで
大学生になって ある事件から
自分の矜持を保つために 
必死で 自分にウソをついて生きていましたが

「秘密の森のダイアナ」の ダイアナが自分にかかった呪いを
自分の力で解くシーンを読んで 
彩子も自分を解き放とうと決めたのでした。

熱いものがじわ~と心に広がる件です。

彩子の中学受験の後
小さな誤解から 疎遠になってしまっていた二人が
10年の歳月を経て 

また友情を結びなおそうとするところで完。

あ、まぶたが熱い。

ダイアナも彩子も幸せになってね、
と、二人にエールを送りたくなる作品でした♪

若い人たちに是非よんでもらいたい一冊です。

本屋大賞にノミネートされたのも納得です。
タイトルも「本屋さんのダイアナ」ですしね♪



ダイアナが、小学生の時から会いたいと切望していた父は・・・

ネタバレ注意!

なんと、

「秘密の森のダイアナ」の作者だった!!というオチ。
んでもって 超情けない男だった~~~~panda_gakkuri_20150911222103097.gif

ティアラさん、別れて正解!
20年待ち続けて この男が父て知ったダイアナの心中を思うと切ないです。

父は去り際に
「赤毛のアン」のあとがきのところに栞を挟んで立ち去りました。

訳者・村岡花子さんのその文章は、
父がダイアナに伝えたかった言葉なのでしょうか。

人と人との間では、相手が自分と同じ境遇に要るときは仲良くできても
相手が自分より高く飛躍すると友情がこわれるという場合がないではありません。

私には アンの中にも ダイアナの中にも学ぶべき点がたくさんあるように思えます。

人生には 待つということがよくあるものです。
自分の希望どおりにまっしぐらに進める人はもちろん幸せだと思いますが、
たとえ希望通りに進めなくても
自分に与えられた環境の中で精一杯努力すれば
道はおのずからひらかれるものです。
こういう人たちは 順調なコースにのったいとたちよりも
人間としての厚みも幅もますように、私には思えるのです
」 村岡花子

失敗も人生の糧になる。

今ある失敗も そこから学ぶことによって
よりよい人生になるのだな、と最近になって思います。

失敗は 早いうちにいろいろしておく方がいい。

若いうちの苦労は買ってでもせよ、という言葉の意味も

なるほど、と納得できるようになったのも、ここ最近です ^^;

若いころの人生勉強、足りなかったわ panda_gakkuri_20150911222103097.gif





赤毛のアン同様、この本も
たくさんの元気が出る言葉がでてきて

心に沁みるのでした。

読後感爽やか!! オススメです♪