⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

湊かなえ著「リバース」読了♪

湊かなえ著 リバースを読みました。

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どこだったかで、話題の本として取り上げられていたように思います。

ネタバレあります。未読の方 閲覧注意。(自己責任でお願いします)

主人公・深瀬和久は平凡なサラリーマン。
学生の頃から 美味しいコーヒーを淹れることが唯一の取り柄のような男でした。
コーヒー豆専門店で出会った 恋人美穂子がある日一通の手紙を持って
深瀬の元を訪れます。

「深瀬和久は人殺しだ」

真相を問う美穂子。

第二章で、深瀬は 封印していた学生時代のある一夜の出来事を
美穂子に話します。

もう、何が語られるのかと、ドキドキしすぎて 胃がキューンと痛くなり
本を閉じようかと思うほど。

淡々と綴られる 深瀬とゼミ仲間の別荘での飲み会での出来事・・・
何が起きる? 次のページか? 緊張しながら読み進みました。

深瀬のゼミ仲間の元にも、同じ内容の手紙が届き
嫌がらせをされていました。
誰が、何のために??


友達らしい友達がいない深瀬が、
唯一シンパシーを感じていた広沢があの夜、死んだ。

お酒を飲むと眠くなると行っていた広沢にお酒をすすめたのは
ゼミの派手グループの二人。
嵐の中 遅れてくる一人を駅まで迎えに迎えに行く、と
自ら運転を買って出た広沢は帰らぬ人になってしまった。
お酒を勧めたことは 谷底に転落して炎上したことで
警察にはバレずにすんでいたのでした。

広沢は、優しくていい奴だった…・
自分だけが友達だと思っていたけれど
意外にも ゼミの他の友だちとも交流があったようだ…

自分は知っている気になっていたけれど
広沢のことを何も知らなかったことに愕然とする深瀬。

広沢の中学 高校時代を遡って調べに彼の郷里へと向かいました。
中高時代の友人を当たり 在りし日の広沢の話を聞いて
広沢の人生の足跡をなぞる旅。

だから リバースというタイトルなんですね~。

人付き合いがうまいとは言えない深瀬の「心のよりどころ」だった広沢。

彼は、自分と同じタイプだと思っていたけれど 優しくて人気者だったことが分かり、
ひょっとして 優しい広沢は 無理をして自分と付き合ってくれていたのではないか??
そんな疑念が 深瀬を苦しめます。


260ページ、実は 広沢は、本当に深瀬といると心が休まると感じていたとわかり、
大切な友を亡くした 喪失感がより深くなります!!

泣く~~~! 胸がぎゅーっと締め付けられる!


本の装丁が コーヒー豆の模様で、リバースとどういう関係??って思ってたんですが
主人公深瀬が コーヒー通で
作品の中でも ことあるごとに 深瀬がおいしいコーヒーをふるまう場面がでてきます。

付き合い下手な深瀬が、他人とつながるための
唯一の手段がコーヒーだったんですね~。

そのコーヒーが、大切な友人が飲酒運転する、その背中を
そっと押すことになってしまうとは・・・


最後の一言が衝撃!!!!



ガーン!ga-n_201509211552495de.gif



悔やみきれない後悔が深瀬の重くのしかかったと思うと
ずしん、と胸の深いところに鉛弾を打ち込まれたような苦しさ。

さすが 湊かなえさん、後味悪~ でも 読み応えありました!

イヤミスの女王!!