happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

【原田マハ】 「ジヴェルニーの食卓」読了♪

今、私のお気に入りの作家さん 原田マハさんの
ジヴェルニーの食卓」を読みました。

        ジヴェルニーの食卓


四作収められています。
それぞれが、ひとりの画家のお話なのです。

美しい墓   マティス (ピカソ)
エトワール  ドガ
タンギー爺さん セザンヌ
ジヴェルニーの食卓  モネ

すべて実話に基いているので、小説の中に登場する絵を
スマホで検索しながら読むと この作品が・・・と
感慨深いです。
一幅の絵画にも
裏側には多くのドラマがあったのだと
今更ながら、思い至ります。

原田マハさんの作品は、どれも会話に説得力があり、
描写も細かく 引きこまれますね。

美しい墓
ル・フィガロ紙のインタビューに答える
婦人・マリアのひとり語り形式です。

マリアが若かりし日に半年の間、マティス邸
オテルレジナで住み込みでお世話をした事が語られます

コート・ダジュールの明るい日差し 
マティスの制作現場が見てきたかのように描かれ
引きこまれました。

美しい墓とは、なくなる直前、マティスが手がけた
ヴァンスのロザリオ礼拝堂のことなんですね。
「私ね あれはご自分のお墓のつもりで先生はお創りになっているんだと思う」
そんなセリフがありました

エトワール
米国人画家 メアリー・カサットと ドガのお話。

ドガの踊り子の連作は有名ですね。

チュチュを身につけて 踊るバレリーナの
躍動感溢れる姿
ふとした少女の表情
踊り子の動きの一瞬を捉えて うまいな~と感嘆していましたが…

当時の踊り子は、貧しい家の娘が
生活向上の為にパトロンを得る
一つの手段として踊っていたようです。

ドガが制作した「十四歳のちいさな踊り子」という彫刻像
もし それが売れたらその売上をあげよう、と
モデルの踊り子に約束したものの、

像は酷評され 貧しい踊り子の少女はオペラ座を去ったのでした。


タンギー爺さん
セザンヌへの支払い督促状など 書簡形式で書かれています

セザンヌの人物像は手紙の内容から伺い知れます
当時の印象派の画家たちの暮らしぶりなどもわかり
興味深いです。

ジヴェルニーの食卓
表題作

モネの娘 ブランシュの視点で描かれる晩年のモネ。
ジヴェルニーのこだわりの美しい庭園を描くモネと
モネの生活を支える ブランシュ。
母アリスの残したレシピノートを見て作る
美味しそうなお料理が 食卓に並びます。

ジヴェルニーのモネの庭園の写真を見ながら読むと
想像が膨らみました。

原田マハさんの 細かい描写がひとつひとつ
色彩を放って いきいきと脳裏に描くことができます

美術に造詣が深い 原田マハさんならではの視点で
フランス印象派画家の日常生活を描いてあり 面白かったです。