happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

上流階級 富久丸百貨店外商部 読了♪

高殿円著 上流階級 富久丸百貨店外商部 読みました♪

面白かった~~~!


上流階級
画像は 出版元 光文社様よりお借りしています。

爽快エンターテイメント と本の帯にある通りです!

百貨店外商部員から見た 阪神間の高級住宅地に住む
上流階級の人たちを描きつつ

外商部員の東奔西走の頑張りを綴ってあって興味深く
あっと言う間に読んでしまいました。

幼いころ母に手を引かれて行く百貨店は お嬢様の気分にさせてくれた、
そんな思い出の百貨店、夢の宝石箱…
主人公 鮫島静緒が 外商員として奮闘する物語です。


外商のお仕事ってこんなの??
って 目からうろこでした。

外商部員の車は特別仕様!とか。
宝石や時計がぎっしりのカバンも軽々と持たなくてはいけないとか。
月1000~1500万のノルマがある 

「お客様のご要望にお応えするのが外商員。
おもてなしの心をお届けします。」

なるほど~~

外商は百貨店の売上の3割以上を占める
実質百貨店の屋台骨なのです。
外商員一人につき たった10人ほどの
何百万もポンと払えるほどのハイクラス層が百貨店を支える。
その代わりに 客のどんなわがままも必ず叶え決してNOと言わない。

へぇ~~~

品切れでどこの店頭にも置いてない商品を
お客様のために東奔西走 いろんな伝手を頼ってゲットしたり

果ては、上得意客のお葬式の手配まで。 

百貨店の裏側も分かって 今日使える百貨店トリビアがいっぱい、
興味津々で読めました。

この富久丸百貨店は 大丸がモデルなのですね。

静緒(女性)が勤める富久丸百貨店芦屋川店。
JR芦屋に大丸芦屋がありますし

「ヴォーリーズ建築のレトロな内装」、も元大丸心斎橋店がそうですね。


静緒は、神戸市の西隣・三木市の志染(神鉄沿線)出身。身長173㌢。
高卒で製菓学校出て友人が作るパン屋を手伝っていた時 
富久丸百貨店のカリスマバイヤーとカリスマ外商員が店を訪れました。

百貨店に出店を持ちかけられ 静緒はテナントの店長となり
バイヤーから 外商部へと引き抜かれた異色の経歴。

退職するカリスマ外商員・葉鳥から受け継いだお客様を回り、
お客から浴びせられる嫌味な言葉もグッとこらえて誠意を示します。

私には無理~~~ 汗

様々な上流階級の人たちを相手に奮闘する静緒を応援したくなります。
小さなネタが面白く(高級ブランド名多数登場)

想像力を掻き立てられる文章に ページを繰る手が止まりませんでした~~

あ、途中、ゲイの同僚 超お坊ちゃまの枡家と芦屋の高級マンションの
メゾネットの一室で同居することになってしまうハプニングも面白いです。

【小ネタ拾い】

*芦屋のお宅訪問時の3人の嫁の会話
やっぱり化粧品はC社よね? L社もいいのよ。
CとLは化粧品開発部門の予算がの桁が一つ違うんですって。

ほう~
Cはシャネル?クリスチャンディオール? 
LはランコムでOK? (ジェニフィックオススメです)

*店内放送
京都市からお越しの後藤様→ 強盗発生
神戸市北区からお越しの川中様→ 万引き発生
など 暗号が決まってるらしい
デパートの「◯◯からお越しの▲▲様 お伝えしたいことがございます」って放送
隠れた意味があったのか。(本当にお伝えしたいことがある時もある^^)

雨が降り始めた時に流れる曲がある、というのは 何かで知ってましたが。
トイレや休憩にいく時に ◯番行きます、っていうのも知ってました。

あ、そう言えば学生時代にちょっとだけデパートでアルバイトしてたことあったんだった、
大丸で。

*芦屋の奥様に
ジノリのポットなんて誰でも持ってるじゃないの?と叱られる

*特選貴賓会用パンフには
フェンディ、マイセン
フレッドのネックレス ブレゲの時計←100万以上 大汗

*神戸市の少し外れた長田区から三木市を縦断して播州に向かって伸びる
播州鉄道は 神鉄のことね?


*「背も高いし宝塚の男役さんみたいね、わたし好きなの宝塚」

こういうフレーズ、うれしいですね~♪

日本銀行大阪支店旧館のレトロな外観が見える中之島の料亭で…
どこ? もうさぐっちゃうよ ^^;

*貴賓会では ネックレス40万 リング30万 ペルシャ絨毯700万
ライター50万 ディオールのクロコバッグ200万…あっと言う間に
1000万ほどお買上げ~の華僑が登場します。
こんな風にバッサバッサお金を使う方がいらっしゃるのね、きっと。
日本人の平均年収以上の金額を数時間で使ってしまう人たちが。

余談ですが、世の中には すごい人が実際に存在する、を実感したのが、
私のインスタ写真にいいねをしてくださった方の写真を見に行った時。
エルメスと高級腕時計、ミシュランごはんの写真オンパレードで
ン百万のコートを試着して どちらにするか迷っておられました…^^;

二桁違うわ 汗


この作品を読んでいて楽しいのは
知ってる地名がいっぱい出てくること!
白地図にピンさせるよ~~

芦屋川 長田 三木 西神 園田 六麓荘 甲南山手 苦楽園

著者 高殿円さんは神戸市出身 武庫川女子大卒。
さすが地元に詳しい♪

柚木麻子さん的 読後感爽やか~~ なライトノベルでした。
西は姫路、東は尼崎あたりまでに住んでる方が読むと、ああ、ってピンときて面白いですよ♪

昨年 ブロ友のみゆっちさんとランチした時に 柚木麻子さんの作品がいいね、と
話してたら 薦めて下さった本です。
おすすめです!

知らなかったんですが、竹内結子主演でドラマ化もされてたんですね。

上流階級のドラマのWikipediaを読んだら 配役が絶妙♪
いつか 再放送などあれば観てみたいです。