happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

伊岡瞬著「代償」 読みました♪

新聞の広告欄で見つけた 伊岡瞬著「代償」を読みました。


    代償


Amazonに記載のBOOKデータベース(本の帯にも) ↓

平凡な家庭の小学生・圭輔は、ある事故をきっかけに遠縁の同級生・達也と暮らすことになり、一転、不幸な境遇に陥る。
寿人という友人を得て苦境を脱し、長じて弁護士となった圭輔に、収監された達也から弁護依頼が舞い込んだ
“私は無実の罪で逮捕されました。どうか、お願いです。かつての友情に免じて、私の弁護をしていただけないでしょうか”。
裁判を弄ぶ達也、追いつめられた圭輔。事件を調べ始めた寿人は、証言の意外な綻びを見つけ、
巧妙に仕組まれた罠をときほどいてゆくが―。

本読むのは時間がかかるし、ブックレビューを書くのは頭が疲れるけど
観たら書く、食べたら書く、読んだら書く、ってことで記録しておきます。

ネタバレあります、ご注意ください。



この作品のブックレビュー見たら 皆さんおっしゃってるのが 第一部の気分の悪さ。

小学5年生の圭輔は 隣町に住む母方の遠縁の親戚一家を嫌っていました。
いつもお金の無心に来るだらしない叔母・道子と 
小学生なのにタバコを吸ったり 悪い仲間とつるむ従兄弟・安藤達也。
この二人の悪行が 読んでいて本当に気分が悪くて 
何度読むのを止めようかと思ったことか。

達也は 大人受けは良いけれど 威圧的で狡猾。
自分は手を染めずに 人に犯罪をさせて横で笑っている。

達也の勧めで 初めてタバコを吸った夜、自宅は火事になり
両親は死亡、圭輔だけが残されたのです。悪夢はここから始まります。

大嫌いな家族に引き取られ 達也と同じ部屋で暮らし
道子からは お金や時間の自由まで奪われ 虐待まで…。
両親が遺した 家や財産は 後見人となった道子が管理して。
地獄のような日々が描かれています。

未成年で何の力もない圭輔には 生きていく選択肢は他なく、
大人たちが 決めたことに「これでいいね?」と確認されても わけも分からずただ
 「はい、分かりました」というしかないもどかしさ。

圭輔は 自分のタバコの火の不始末による火事で両親が亡くなった事に責めを感じ
達也にバラされるのが怖くて 自分を殺して生きていました。

読んでてイライラする~~~! イヤミス(嫌な気分になるミステリー)でもあり 
イラミス(私の造語 イライラするミステリー 笑)でもありますっ!

第二部に入って 圭輔が成長し 弁護士になったところを読んで
心底 ホッとしたのでした。

若手弁護士として ようやく安定した生活をと思ってた矢先に
あの男から手紙が…

「殺人未遂で捕まっている自分の私選弁護人になって欲しい。」

やっと縁が切れて 精神的閉塞感から解き放たれたと思っていたのに。
この恐怖は 蜘蛛の巣に絡め取られた虫の気分です。

この男から逃げることは出来ない。

でも 大人になった今は 闘うしか無い、と覚悟を決めることが出来ました。

蛇に睨まれた蛙のように 達也に強引に何かを頼まれたら 
首を縦に振るしかなかった圭輔でしたが

この男は 自分の命を引き換えにしても 生かしておいてはいけない。

そう決意しました。

弁護士は、依頼者の罪を少しでも軽くするために引受ますが
圭輔は 達也の悪事を暴くために引き受けました。

ココからが 一気読みです!!

第一部の鬱々とした気分はどこへやら。
気持ちよくページが進みます。

証言をすると言った佃紗弓の裏切りにあったり

法廷で 達也が圭輔の過去を暴いたり、

ドキドキハラハラの展開。
なかなか一筋縄ではいかないのですが…

圭輔の中学時代の友人・寿人が 素晴らしい働きでサポートしてくれて
ひとつひとつの証拠を検証している内に
達也と道子の前科が 新たに出てきました。

謎解きのひとときが 胸の空く思い。
一気に牙城を崩していきます!!


釈放された達也と道子親子を 中華料理店に呼んで
証拠を突きつける 圭輔と寿人。

ようやく 達也たちは悪事のツケを払う時が来たのでした。

ラストシーンは 寿人との友情のシーンに 
弁護士事務所の花形弁護士(ちょっと恋の予感) 真琴からの電話で幕。

面白かった~ (ちょっと読むのが苦しい箇所もありますが)

◆関連リンク
『代償』伊岡瞬 特設サイト|KADOKAWA