happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

タンゴ・イン・ザ・ダーク 読了♪

先日読み終えた「リーチ先生」がサクサク読めたとは言え
かなりのボリュームで、ちょっと脳味噌が疲れた・・・


今日 「タンゴ・イン・ザ・ダーク」読み終えました。
借りた日が近かったから 返却期限も近くて大変、大変

第33回太宰治賞 受賞作

193ページ、ライトな語り口でスイスイ読めました。

         タンゴイン・ザ・ダーク

重要なネタバレ含んでおりますので未読の方は読まないでください!

主人公は 市役所のこども課に勤める 三川ハジメ。 
妻のK(惠)とは 結婚3年、二人暮らし。

ある朝 目覚めると妻の姿がなく 置き手紙が残されていました。
地下室にいる、連絡はLINEで。顔を見られなくないの、と。

初めのうちは 気楽な独身気分だったものの
妻は地下室から出て来る気はないらしく
音楽演奏用の地下スタジオには 生活に必要なものが揃っているので
不自由はないらしいのです。

何が彼女をそういう行動に走らせたのか 分からず
自問してみるハジメ。

1年前 Kは妊娠したものの 死産になってしまった。
第二子の妊活に励むKの勢いに圧倒され
ハジメは 彼女を拒むようになった、そのせいなのだろうか?と。


結婚前から付き合っていて 3年も一緒に暮らしたのに
妻の顔を思い出せないというハジメに ちょっと違和感をいだきました。
(心の病気だった、とゴックンしておけばいいのかしら)
家の中にも スマホの中にも妻の写真が一枚もない、というのも…謎。

地下室のオーディオルームに「顔を見ない」という条件で入ることができたハジメは
しばらくしたら 目は暗闇に慣れて 少しはぼんやりと見えてくるはずなのに
(忍者は、暗闇でも行動できるらしい)
全盲の人のように何も見えないようです。ちょっと???が飛びます。

梅雨時のある日、体調が悪く(だいぶ精神状態が悪いらしい)早退すると
K(惠)の双子の妹K(恵)が来てテレビを観ていました。
妻の惠と正反対で 服もメイクも持ち物も派手な双子の妹。

ここが謎! これが一時的に地下室から出てきた妻の惠(姉)だったと
後で種明かしで 語られるのですが…
一時的に出てきた時に、なぜ 妹のような格好をしていたのか?
真っ赤なマニキュアの長い爪まで似せて。
その長い爪でギターは弾けないよね?

そして そのまま妹のふりをして帰っていったのに、
ハジメの目に触れずに いつ、また地下室へ戻ったのか??


私の友人に二組 双子がいますが 
どちらの双子も すごく似てるけど ちゃんと区別つきます。
まして 夫婦なら 本人かどうか 絶対にわかるはず、
「さすがに3年一緒に暮らした夫婦ですから。違いはわかります。」と言ってるのに
本人=姉の惠に向かって 妹だと認めてしまっているんですけど?
違和感MAX~~~!

惠は 地下室から出てくる気はないようなので
ハジメが 真っ暗な地下室へ下りていきます。

昔 よく演ったように ハジメのフルートと Kのギターのセッション。

二人の演奏の呼吸がピッタリと合うと 心が通ったように感じて嬉しくなり
もっともっと、とハジメはフルートの練習に励みます。
市役所は欠勤で。

ハジメが演奏を間違うと 漆黒の闇の世界から 
何かが飛んできて ハジメの指や顔を傷つけるのですが
これは ハジメが心を病んでいるための幻覚のようです。

それでも 妻と演奏で触れ合える濃密な時間が描かれていて
そこが読みどころです。

二人が好きな アルゼンチン出身の作曲家ピアソラ。

私もピアソラの「リベルタンゴ」は大好きです♪
初めて聴いたのは、ヨーヨー・マさんのチェロでした。
宝塚のショーなどで 何度も耳にしています。

二人はピアソラの「タンゴの歴史」や「ブエノスアイレスの四季」をセッションします。

それでタイトルが タンゴ・イン・ザ・ダーク。
なるほど♪

地下室での演奏シーンは読んでいて想像するのも楽しいです。

音楽を演奏される方なら 尚楽しく読めると思いました。

ピアソラの曲 Amazonで試聴できるから聴いてみようかしら?

曲が終わった、誰かがいる、ついに約束を破ってを懐中電灯を点けた。
そこには…
なんと 市役所の同僚にして お調子者の火野が
Kにかぶさっていた!!

ま、そこから ラストの場面まで 私には理解不能な会話が
ハジメとKの間で語られ・・・

なんとも言えないラスト。

お調子者で Kに横恋慕の火野の登場が
ストイックな雰囲気に水を差して ムードぶち壊し? ^^;

すごい小説を読んだ!と興奮しておられる方もいらっしゃいますが
私は、いろんな矛盾点が見えて没頭できず、
★2.5といったところでしょうか。

著者の今後のご活躍に期待します。