小川糸著 キラキラ共和国を読みました♪
以前読んだ ツバキ文具店(2017年本屋大賞第4位)の続編とも言える本です。
装画も ツバキ文具店とよく似た 今度はお店の正面からの絵です。
ツバキ文具店では 主人公のぽっぽちゃんこと鳩子の代書屋としての生活や ご近所さんとのゆるくも温かいつながりが 鎌倉の街とともに描かれていて 思わず スローライフに憧れを感じてしまうのでした。
そんな鳩子に淡い恋が芽生えたところで終わる前作。
今回は そのお相手のモリカゲさんと結婚成就。
キラキラ共和国は ツバキ文具店を読んでから読んだほうが 楽しめます。
いろんな人間関係が続いていますからね^^
モリカゲ(守景)さんと結婚したのも モリカゲさんに惹かれたことは事実だけれど
実は守景さんの一人娘のQPちゃん(はるな)が可愛くてしかたないぽっぽちゃん。
一緒に暮らしたいと願ったけれど 母親になるってこういうことでいいのかな、と新たな悩みもでてきます。
それでも ぽっぽちゃんとQPちゃんが2人でパンケーキや蕗味噌を作るシーンが微笑ましくて
のんびり時間をかけたお料理をしたくなってきます。
今回も 代書屋としてのぽっぽちゃん=鳩子の働きもしっかり描かれています。
死んでしまった夫から詫び状をもらいたい、という女性からの依頼や
夫婦の両方から 相手宛に代書を頼まれるというスリリングな経験、
半分引きこもりの女性からラブレターの依頼、
生まれてすぐに亡くなった赤ん坊の喪中欠礼状に
随分前に貸したまま返してもらってないお金の取り立て…
依頼主の気持ちはいつも複雑ですが 鳩子はきちんと依頼主の気持ちに寄り添って
いい仕事をしてます!
難しいものが多いのですが その代書に使う筆記用具、便箋、切手、すべてを吟味し
言葉は勿論、筆跡もそれにあったもので書くのです。
その 筆記用具の選び方、便箋の選び方など とても興味深いです。
現代ではなんでも メールや電話で済ませてしまうけれど
思いを一文字一文字に「認める=したためる」のは 心がこもっていて
相手の心の奥深くに届くのじゃないかと思いました。
古い切手は、郵便局で新しいものに手数料を払って交換してもらっていたのですが
ぽっぽちゃんは シチュエーションに応じて 適切な絵柄の切手を貼って出すのです。
私も四季を感じる切手は数種類用意して 季節にあったものを貼るようにしてますが
むやみにレターパックに交換したりしないで たまには誰かにお手紙を…と
思わずにはいられなくなります。
温かい人のつながりが描かれて スローライフも素敵で とても幸せな気持ちになる一冊です。