happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

カルメン、読みました~☆

今年の2冊目 メリメ著 工藤庸子訳「カルメン」読了!

1ヶ月に1冊本を読む!の誓い ギリギリ達成です 

 

カルメン、と聞けば あぁ、って 誰でも名前は知っていると思いますけど

じゃぁ、どんな話?と聞かれれば、

強い兵隊ドン・ホセが 美しきジプシー女に惚れたがために

身を落としていく話・・・くらいのイメージしかないのでは?と思っています。

昔から オペラやバレエで上演し尽されて 名前が一人歩きしてるのかな~?

 

原作は 原稿用紙200枚程度の中篇小説らしく、

しかも 主人公はドン・ホセ、ではなく、考古学者の「私」。

闘牛士・エスカミーリョではなく ルーカスが浮気相手として出てきます。

カルメンがフラメンコを踊って、

ホセにバラを一輪投げる、などという場面もないし。

あれはバレエ用の演出なんですね…

 

ねたバレあり です ↓

 

フランス人考古学者の「私」が 学術旅行中に

既に山賊に身を落としたドン・ホセと山中で出会います。

内心 「これが お尋ね者ののドン・ホセか・・?」と警戒しつつも

同道し 安宿で一夜を過ごしたのでした。

密告によりホセが捕らわれる寸前に、いち早く気づいた「私」が

ホセを逃がしてやります。

 

旅行中に 美しいジプシーの女性 カルメンと出会った「私」は

彼女の家に行き ジプシー占いをしてもらおうとした時、

彼女の情夫が戻って来て 殺されそうになります・・・が、

なんとその男は 先日会ったドン・ホセ! 

事なきを得ます。

 

「私」がスペイン・ドミニコ派修道院に顔を出した時、

捕らえられ、処刑を待つドンホセが牢の中にいて 三度再会

そこから ドン・ホセが自分の身の上話を「私」に告白、

と言う形で「カルメン」の本編が語られていくのです・・

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オペラ・カルメンでは脚色により ドラマティックに描かれているようですが

原作は 美しく色香はあるが どうしようもなく悪い女(=犯罪者!)のカルメンと

名士の家柄に生まれながら立身出世もせず 嫉妬深く 短絡的で単純な男ドン・ホセとのお安い恋愛と犯罪の繰り返しに・・・・ウンザリ。

 

「盗人にも三分の理」という諺があるけれど

カルメンには同情の余地も無く ドン・ホセは嫉妬深く頭の悪い男にしか思えませんでした…orz

 

主人公に感情移入できないから 読んでる間中ずーっと消化不良で

もやもやしてました。

 

こっ、これは・・・ イメージがた落ち!

 

この本 図書館のWeb予約だったので 

キーワード「カルメン」で検索するといっぱいかかってきた中の1冊。

 

もともと ホセとカルメンに感情移入できてないのに

独白だからか 1センテンス(文)が短く 小学生の作文みたいな、翻訳したけれど文章の魅力が全く無くてがっかりでした。(訳者は東大卒)

ぐいぐいストーリーに引き込んでくれる力がない文章。

その上 訳註や説明文が 多い・・・

それは時代背景やジプシー あるいはバスク地方の風習などの説明なのですが、

説明を読んでからまた本編に戻るという箇所が 随所にあり、

プツンプツンと 流れが途切れて それが話に入り込めなかった一因でもあるのかも知れません。

 

いや~ すごく短い話なのに 読んでいて疲れました・・・

 

「激情 -ホセとカルメン-」星は 宝塚星組の全国ツアーで舞台 再演ですが、

「原作のホセ」をちえちゃん(柚希礼音)が演じるなんて 美しくなさ過ぎ!

「原作のカルメン」も美しいジプシー、と言うより 盗み、詐欺、殺人教唆などを

平気で行う大悪人! 許しがたい女です  無理~ 

 

ま。そこを名演出家・柴田侑宏先生が切なく甘い恋愛物語に脚色されたのでしょう。

 

きっと美しい悲恋として ホセの狂おしいまでの「愛」が描き出されるのでしょう。

5/22 18時公演 星組 全ツ「激情」、 どのような舞台になるか・・楽しみ~♪