happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

ヅカネタ満載 「男役」読了!!

中山可穂著 男役 読みました。

 

男役

 

帯には、

「宝塚の守護神 ファントムの悲しき愛と劫罰。」

 

男役という稀有な芸への熱いオマージュを込めて書かれたとのこと。

宝塚版ファントムです♪

 

ネタバレあります、ご注意ください。

 

トップになって二日目に舞台事故で亡くなった50年前の伝説の男役スター・扇乙矢。

扇から ファンファンとの愛称で呼ばれた彼女は 宝塚のファントムとなって

生徒たちを見守っています。

 

異色のトップスター 如月すみれの退団公演が幕を開けようとしていました。

絶大な人気を誇るすみれ(愛称 パッパさん)は

 

「セビリアの赤い月」というスペイン物の演目をさよなら公演に選びました。

 

それはまさに あの扇乙矢のとップお披露目公演の演目でした。

 

新人公演主役に選ばれた男役・永遠ひかるは まだ研3。

プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも

パッパさんの温かいアドバイスや

劇場に住み着く 扇乙矢の亡霊に助けられながら

成長していく物語、そして 

50年前の事故にまつわる切ない愛。

 

もう、一気読みでした。

 

ヅカファンには、ヅカあるあるが面白くて、

勉強になりました。

 

また、ひかるが初の新公主演で 緊張しながらも 

ファントムさんの力を借りて 一人前の男役になっていく件は

涙なくしては読めません。

 

如月すみれの 大劇場さよなら公演の様子は

読んでいて ちえちゃん(柚希礼音)のさよなら公演を思い出して

洟ジュルジュル。

 

きっとご贔屓を見送ったことのあるヅカファンなら 涙腺崩壊の危険あり!

 

ヅカネタ ヅカあるある

 

振り移し

新人公演での振りは、主演者に振りを教えるのは 振付師ではなく本役

それを振り移しといいます。

公演の後などに本役と練習をして覚え身に着けていくんですね

 

娘役は男役を立ててナンボ

男役の隣で自分の存在を消さなきゃいけない時もある。 ほほぅ~

男役を男役たらしめるのは、娘役。 なるほど~、深い!!!

 

男役は男役に惚れる 娘役にではない。

それが宝塚におけるただしい異性愛のあり方だそうです。

へぇぇ!

 

歌の味

いろんな経験を積み、泣いたり笑ったり 嫉妬したり

それらの感情知ることで

ただ上手いだけではない「味」のある歌を歌える術をテにいれるのだそうです。

楽譜どおりに歌うだけでなく 客席の心に訴えかけるものがある歌こそ

本当に上手な歌、味のある歌と言えるのだと思います。

 

女性ホルモンを悪魔に売り渡す

と、如月すみれが語る部分があるのですが・・・

「生理が無くなる代わりに 娘役をリフトできる」

ちょ、ちょっと待って!!本当に生理がなくなるの??

いつも真っ白な衣装で大変だろうとは思っていたのですが・・・

なくなってしまうとは!信じがたい!

 

役が役者を育てる

大きな役に抜擢されたら 自分を鼓舞してがんばってやり通すしか無い。

舞台での経験が 役者として成長させると思ってます。

若手有望株にはしっかりと 役を付けてあげて欲しいですね!

 

本通し

稽古場で行われる 最後の通し稽古で 新公に出ない上級生たちが

見に来てアドバイスをしてくれるそうです。

 

ここの件、ひかるがファンファンの力を借りて

大きく成長します。熱いものが胸にこみ上げてきます!!

 

宝塚の構成はよくできている

 

芝居が終わってから ショーがある。

 

観客は、不発 駄作のお芝居でも 後から

最高に華やかなショーを観ることで 終わりよければすべてよし

とても満足して帰れていいな、と思ってたのですが。

 

同じことが生徒さんにも言えるようです。

いつまでも役にのめり込んで引きづらなくて済むのだそうです。

 

トップとは

自分のことだけじゃなくて、相手役を気遣ったり

組全体のことにも目配りが必要♪

 

 

小ネタ

*アクセサリーは自前

*銀橋は カーブしているので 走って捌ける時など

落ちないように注意が必要。

 

 

タカラヅカ無い無い ヾノ・_・`)

(相手役への思いが嵩じて)躊躇せずに 相手役の唇に自分の唇を押し付けた。

 

 

そして・・・永遠ひかるの祖母は 

50年前の事故で無くなった扇乙矢の相手役・神無月れいでした。

 

ずっと宝塚から離れていたけれど

愛する孫娘の新人公演で

自らが演じた演目 「セビリアの赤い月」の主演を務めるのを

観に来たのでした。

 

そしてファントム 扇乙矢との再開。

 

新人公演の舞台の様子に胸が熱くなります。

 

如月すみれのサヨナラ公演の千秋楽の様子も

ちえちゃんのサヨナラが重なって 涙涙。

 

ヅカネタが随所に散りばめられていて、

想像するのがたのしかったです!!

 

ヅカファンにおすすめ!