⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

【原田ひ香】前作「東京ロンダリング」の続編|失踪屋登場で社会派テイストに

前作「東京ロンダリング」は、離婚して家を出ることになったりさ子が、賃貸物件のロンダリングをするお話でした。

 

今回は、失踪屋=失踪した人を探す会社を立ち上げた仙道啓太と前作で登場した「相場不動産」が勧めるロンダリングをする「影」と呼ばれる人たちのお話です。

事故物件に住み部屋をロンダリング(浄化)する人材を斡旋する相場不動産。ある時から、なぜかその関係者が次々と相場不動産を離れていく。背後に妨害工作の動きを察知し、調査を始めた仙道は、とある事実を突き止める。相場と共に、巨大勢力と戦おうと立ち上がった仙道が決断したこととは…。

「BOOK」データベースより

 

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8章からなる物語、最終章で繋がっていく…

  • うちの部屋で人が死んだら
  • 君に栄光を捧げよう
  • 幽霊なんているわけない
  • 女が生活保護を受ける時
  • 地方出身単身女子の人生
  • 失踪、どっと混む
  • 昔の仕事
  • 大東京ロンダリング

⚠ネタバレありますご注意ください

 

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夫名義のアパートを管理しているパートの主婦・加島康江

パートをしているスーパーの同僚・遠藤くんは、「遠藤圭吾のアルファブロガーへの道」の管理人。

いろんな職業に就いて、社会勉強をしてブログのネタにするつもりのようです。

彼のブログに触発され、康江の意識が変わっていきます。

 

会社に内緒でロンダリングをしている同期の皆川哲治の部屋を訪ねていく田中保志。

その部屋の前の住人が、田中の高校時代の先輩・浅井陽介である、と図書館からの督促状で知ります。

浅井陽介は、森脇智弘の啓発本を読んでいた、と言う記憶。

皆川は失踪してしまい、同期を探すため、田中に会社から「失踪.com 仙道啓太」を紹介されます…

 

妻に浮気がバレた鎌田勇気は、家から追い出され、ロンダリングをすることに。

そこで、玄関にぼんやりと正座する、若い男の幽霊を見て…

思わず部屋を出て、夜のファストフード店に行くと 栗木静香に出会い手相を見てもらう。

手相が薄いのは、迷いながら生きてきたからではないか、と思う鎌田。

 

小石川君江

世間体を気にする両親とは不仲で、親が世話した就職はセクハラで退職。

派遣で食いつないでいた時、父親が倒れたと連絡があり、世話のため実家に帰ったものの、ひどい仕打ちをうけ、逃げるようにまた家を出ました。

自由になったはずが、突然のうつで働けず。

生活保護申請中だが…ロンダリングを相場不動産に提案されるのでした。

 

相場不動産の社員・まぁちゃん(吉田正子)は、自分の過去を社会学者の遠藤に聞き取り調査されています。

地方出身単身女子の過去現在をサンプリングしているのは社会学者の遠藤圭吾

 

遠藤から特養の老人にまぁちゃんの特技のネイルをしてあげてほしい、と電話がありました。

こうやって、生きていく道もあるのか…とかつて学んだネイルの道具を出して思うのでした。

 

失踪屋・仙道啓太の「失踪についての考え」と半生。

 

りさ子(前作に登場)は、今も亮の洋食屋で働いています。

相場不動産の相場に請われて、またロンダリングをすることに。

一人でいる時に訪ねてきたのが栗木静香

「あの部屋に住まない方がいい」とりさ子にアドバイスをするのですが…

 

皆川も鎌田も森脇智弘の啓発本を読み、

加島康江もまぁちゃんも遠藤圭吾に影響され

鎌田もりさ子も栗木静香に会っています。

 

東京の一等地を買い占めようとしているジャパン地所

相場不動産のロンダリングを妨害するために政界ともパイプを持って働きかけている様子。

遠藤も栗木もジャパン地所に雇われていたのではないか、と想像する仙道。

 

ひとつひとつの話は興味深いが 散漫

原田ひ香さんの「失踪.com」、今回は、連作短編集の形で、最後の「大東京ロンダリング」で、ひとつに集約されていく形…

 

に見えて、なにかスッキリしないのはなぜか?

 

一話、一話は、興味深く読みましたし、それが伏線になっていて、最後に失踪屋(失踪.com)仙道が伏線を回収して、ジャパン地所の東京の一等地買い占めと繋がっているのも、前作と繋がっていて面白かったです。

 

それでも、ロンダリングと失踪の関係はわかりにくいです。

また、働きアリの法則に例を引いて(働きアリのなかで常にサボっているアリは2割 サボるアリを取り除くと残ったアリの2割がさぼるようになる)、

失踪は、「人間が集団生活を送る上で、なんらかの必要性をもってプログラムされた本能だ」(P85 )という(株)失踪.comの仙道の意見は全く共感できないし、個々のストーリーと失踪の関係もないものの方が多く、読後感は???

 

失踪者を探すのが生業の仙道ですが、仙道は周りに失踪する人が多くいて、自分もまた失踪しそうな気がする、という人間。

 

ふらり、と普段の生活を捨てて着の身着のまま出ていきたい人もいるかも知れませんがそう多くはないでしょう。

事件事故に巻きこまれたなら仕方ないですが、

普段の生活の中には責任や義務があるから、それらを放棄するような無責任なことなどしたくないしできないものです。

 

家出と失踪は違います。

 

今回の東京ロンダリングは、社会派なテイストですが、失踪したのは、2話目の皆川だけで、

後の話はラストへの伏線。

 

小石川君江の話はなんの関係もないから、この部分をまるごと削除してもなにも問題ないぐらい。

何を言いたかったんでしょうか?

 

東京ロンダリングは、ラストじわっと胸熱、爽やかでしたが、

失踪.com 東京ロンダリングは、ラストは 狐につままれたような え?? 終わり??って言う消化不良感が否めず。

 

残念。