⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

【浅倉秋成】SNSの怖さを体感『俺ではない炎上』|今秋、阿部寛主演で映画公開

面白かった〜!!

 

どうなるの?と主人公の逃避行にハラハラドキドキ! 


そして…終盤はどんでん返しの連続で息をするのも忘れそう。

 

著者に翻弄されっぱなしで、読み終わったときには、ぐったり(笑)

 

一つのリツイートから炎上への過程を読まされました

炎上…SNS使っている人間には一番恐ろしい言葉。

 

芸能人、政治家の行動や発言からの炎上は多くの人が知っている人なので炎上しやすいですが、たまには一般人の言動が批判対象になり、個人情報が晒されたり、執拗な誹謗中傷で死を選んでしまう人もいます。

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大学生の住吉初羽馬(しょうま)は、友人のリツイートの内容を見て衝撃を受けました。

血だらけの死体の写真がUPされていたからです。


当初、まだ20人台だったリツイート。

初羽馬が放った「血の海地獄」の言葉のインパクトからあっというまにリツイートが増えていきました。

自分がリツイートしたことで日本中が「血の池地獄」のつぶやきを知ることになりました。

死体写真のアカウントは10年前に作られた 「taisuke0701」。

事件現場は万葉町にある万葉第2公園の公衆トイレと写真に映り込んだ風景で判明。

taisuke0701のプロフィール写真は、大帝ハウス50周年記念コンペのキーホルダーが付いたゴルフバッグ。

万葉町。大帝ハウス、taisuke0701。

 

ネット民はすぐさま 大帝ハウス勤務の山縣泰介と言う人物が実在すること、その人物は大善市の万葉町に住んでいることを突き止めます。

 

大帝ハウスのHPには泰介の顔写真も載っています。

警察よりも早く、一般人の犯人探しが始まる…

 

SNSの無責任なリツイートが人の運命を狂わせることの怖さをまざまざと見せつけられました。

 

平和に暮らしている一般人があれよあれよと殺人犯に仕立てられていく様はゾッとします。

 

我々の日常のどこかに刃が隠れているのかもしれないな…と。

手に汗握る展開にページを繰る手が止まらない!

取引先・シーケンスのコンテナハウスの現場にいた泰介の元に、すぐに支社に戻るように、と電話が入りました。

事情を知って当惑する泰介に、帰宅命令。

家の近くまで戻ると自宅前に野次馬が押しかけていました。

警官が家の前で人払いをしてくれたおかげでようやく家に入ると、差出人不明の封筒が…。

 

逃げて逃げて逃げまくれと書かれていました、差出人は心当たりのないセザキハルヤ。

セザキが敵か味方かわからないまま、とりあえず逃げようと決意した泰介は、殺人の濡れ衣を着せられたまま、孤独な逃亡を始めます。

 

畳み掛けるように、

リアルタイム検索 検索ワード 山縣泰介 

◯月◯日◯時◯分 過去◯時間で◯件のリツイート デイリー◯位

 

いろいろな人物のツィートが書かれていきます

新事実がわかるたびに 検索ワードは、変化していき、ツイートと世間の意識の変化を俯瞰して観ることができ面白いです

 

当初、検索ワードは「山縣泰介」だったのが
死体発見、You Tube 検索
ホームレス襲撃
スナック 山縣
自慢のゴルフバッグ
山縣 子ども
売春組織一員…

 

山縣だと誤認した一般人がホームレスを襲撃した、
山縣がスナックに立ち寄った、

その都度、検索ワードは変わり、拡散されていきます。

 

そんな時被害者2人は売春組織のメンバーで、一時期ネットに名前が出た女性だったことが判明。

潮目が変わっていきます。

 

孤独な逃走劇、もし自分だったら?と考えるとオソロシイ

目をかけたつもりの部下の家に立ち寄ると、

あなたは恨みを買いやすい人だから」と泰介が社内でいかに嫌われていたかをとうとうと述べるのでした。

お情けでSIMカードの入っていないスマホをくれたので、ニュースを検索。

「山縣泰介 いい人」とエゴサーチしてみるとヒットせず。

「山縣泰介 嫌い」といれると、で次々に悪口が呟かれていた!

泰介なりに理由があったことでも悪く受け取られていたことがわかり、自意識の高い泰介のプライドはズタボロに…

 

寒さの中、薄いスポーツウェアで逃げ回ってやっとたどり着いた先で体力のみならず精神まで消耗してしまうのでした…

 

警察よりこわい一般人の正義感

泰介と間違われたホームレスが一般人に襲撃されて重傷。

 

「私刑」により殺されるかもしれない恐怖。

 

なぜ、無実の自分が追われなければならないのか?

真犯人を探し出せ! 意識の転換で、ようやく気力が湧いてきた泰介でした。

 

泰介の娘が鍵を握っています

夏実という泰介の娘の章は、夏実が小学生の頃の話だ、と最初気づかず、混乱してしまいました。

夏実の10年前の行動が、この事件のスタート地点だったことがわかります。

 

謎の言葉「からえになくさ」の意味を追うのも面白く、散りばめられた伏線を回収するのもお見事。

 

ハラハラ、手に汗握る展開と

謎解きの面白さとどんでん返し。

伏線回収の見事さ、

二度読み必至の極上ミステリーでした。

 

映画化はキャスティング大成功^^

本作は映画化され、2025年9月26日金曜日に公開予定。

 

自意識高い系主人公・泰介を演じるのが、阿部寛さんでぴったり!!

 

これは面白くなりそう。

 

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