⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

葉室麟著 「散り椿」読了

葉室麟著 「散り椿」を読みました。

映画化された作品との帯がかかっていたので購入しました♪

映画は観ていませんが、岡田准一くんが主演、いつかアマゾンプライムででも観てみようと思います。

 

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葉室麟さんの時代小説は、「蜩ノ記」を読んだことがありますが、主人公が愚直なまでに、一途に正義を貫いていて人間としてかっこいいです。

今回読んだ「散り椿」の主人公の瓜生新兵衛もまた、無骨な浪人風情ですが 剣は立つし、正義のために国許を追われた男です。

 

葉室麟さんの作品に登場する 架空の藩「扇野藩」は、シリーズになっていて「扇野もの」と呼ばれているそうです。

 

扇野藩の藩主家の家督争い、それにまつわる公許商人を巻き込んだ不正経理、家老・石田玄蕃と榊原采女の勢力争い、「蜻蛉組」と呼ばれる謎の組織・・・

 

かつて 藩の剣術指南役も務めた平山作右衛門の道場で 四天王とも呼ばれたのが 主人公の瓜生新兵衛、新兵衛の義理の弟・坂下源之進、友人の篠原三右衛門、新兵衛の妻・篠を思っていた 榊原采女。

 

4人は 藩の不正経理、派閥争いに巻き込まれて 若かりし頃とは違う、それぞれの苦難の人生を歩んでいました。

 

経理の不正を追求しすぎた新兵衛は、妻・篠と共に藩を追われ 江戸、京都と移り住みます。

愛する妻は、長旅で体を壊し 京都・地蔵院の離れで間借りをして養生していました。

ふるさと扇野藩に帰ることはままならないけれど 自分が亡くなったら 生家の椿を見に行って欲しい、と頼むのでした。

 

篠の亡きあと、新兵衛は篠との約束を守るべく、ふるさと扇野藩の 篠の妹である里美のもとへ 椿を見に戻ってきました。

里美の夫は、四天王と呼ばれた剣の達人の一人 坂下源之進、自害して亡くなっています。

一人息子の藤吾は、父亡き後、家を立て直そうと頑張っているところに浪人風情で、一度は藩を追われた新兵衛が居候をするので面白くないばかりか 自分の身の危険を感じて…

 

扇野藩の藩主の座を争う 長男・鷹ヶ峰一派と公許紙問屋・田中屋の癒着、家老・石田玄蕃の暗躍。

石田派と対抗する御世子派、18年前の事件の真相が 新兵衛の帰藩で明らかにされていきます。

 

当初 新兵衛の存在を快く思わなかった 甥の藤吾が、次第に新兵衛の働きを認め、その考え方になびいて行くところも感動ポイントです。

多くの人間模様が交錯して 深い物語になっています。

 

とにかく読ませる文章で 面白いから一気読みでした!

おすすめです♪

 

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