⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

小松成美著 M 愛すべき人がいて

評価の分かれる「M 愛すべき人がいて」

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昨年、9月7日の朝日新聞「売れてる本」欄で紹介されていた本です。

 

平成の歌姫、「浜崎あゆみ」の誕生、スターダムに駆け上がった彼女の華やかな表舞台の裏にあった苦悩が綴られています。

 

福岡から出てきた少女・濱崎歩を歌姫「浜崎あゆみ」として世に送り出した 敏腕プロデューサーmax matsuura氏(松浦勝人)との出会いと別れが描かれています。

 

著者・小松成美さんが浜崎あゆみさんに取材をして書き上げた本著。

今、何故このタイミングでこのような本が出版されたのか??

2019年7月30日第一刷。

 

浜崎あゆみ 2019年11月、第一子出産、12月カウントダウンライブ敢行。

 

浜崎あゆみさんが 一般男性との間にできた子供を出産するにあたり、自分の気持ちを整理して、過去の恋に決別したことを天下に知らしめようと思ったのかしら?と勝手に解釈。

 

Amazonでの評価は、

星5つ  62% 

星4つ  14%

星3つ  11%

星2つ  4%

星1つ  9%

圧倒的に好評価が多いです。

あゆ(濱崎あゆみ)の音楽を聴いて育った世代の方は、自分の青春時代や 思い出とリンクして「泣ける」のだと思います。

低評価のレビューは、中身がスカスカ、ある程度知っていることを今更…、こんな答え合わせはいらない、などと厳しいです。

 

確かに、1400円+税 の割に 2時間以内に読めてしまう軽い内容です。

205ページ。字が大きい。上下に余白あり。随所に歌詞転載。

 

浜崎あゆみさんのファンや 彼女の曲を愛してた人なら、曲を聴いたら、当時のことが蘇り そのころの自分の心と重ねて涙が溢れてくると思います。

いいところで 歌詞が出てくるのですよ~^^

 

この本は、「事実に基づくフィクション」とされていますが、浜崎あゆみさんに取材され、実在の人物、団体が登場するので フィクション、と言われてもねぇ…

セリフなどはもちろん「フィクション」なのでしょうが、フィクションとノンフィクションの境目が曖昧です。

この本を出版するにあたり 松浦勝人さんは、どのように思われているのでしょうか?

「あぁ、そんなこともあったね」か?

 

一番最後のページに 浜崎あゆみさん自身の言葉が載っているんですけど、これ要る?

松浦勝人さんへのラブレター。過去形ですが。

内容について

あゆが、松浦勝人さん(以下 松浦さん)に出会ってから、あれよあれよと言う間にスターダムを駆け上がる様を細かく描いてあって興味深かったです。

 

こうやって、歌手はプロデュースされて世に出るのだ、というプロセスを楽しく拝読しました。

 

いきなり、1人でニューヨークへ行って来い、とヴォイストレーニングのレッスンを受けにいくところも面白かったです。

どんどんと自分の予想以上のスピードで「浜崎あゆみ」が独り歩きしていくのを 時に不安に感じる等身大のあゆ。

そんな時「俺を信じろ」、と まさに「Aladdin」でアラジンが、魔法のじゅうたんに乗るのをためらうジャスミンに手を差し伸べるあのシーンのように 新しい一歩を踏み出す勇気を松浦さんは力強く与えてくれたのですね。

「俺を信じろ」は、キーワードのように 何度も作中に出てきます。

なんて心強い…

 

あゆと松浦さんが作り上げた「浜崎あゆみ」は、あゆの手に負えないほど巨大化して、ふと逃げ出したくなる夜もあったのです。

松浦さんもあゆひとりにかかってられないので 新たな新人発掘のために忙しく、2人の間に隙間風が吹き抜けて…

 

松浦さんの懐メロ歌手になるな、いくつになっても自分らしく発信していろ。という言葉どおり、40歳を過ぎて、子供を産んでも、あゆはあゆとして生涯を生きていく、そんなたくましい物語でもありました。

 

軽いけど 一読の価値はあります。ファンなら、なおさら、です。