happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

「メーター検針員テゲテゲ日記」を読了

新聞広告で見て面白そうだったので図書館に予約してました

「メーター検針員テゲテゲ日記」のテゲテゲは、宮崎・鹿児島の方言で、適当、ほどほど‥という意味だそうです。

著者は、外資系の会社に勤務の後、作家になりたくて、会社が早期退職者を募った際に手を挙げ、40代で会社を辞めて、生まれ故郷の鹿児島に戻って検針員になりました。

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この本の出版社フォレスト出版からは、「交通誘導員ヨレヨレ日記」「派遣添乗員ヘトヘト日記」も出ています。

どんな職業でも大変なことがありますが、この3冊の職業は、容易にその苦労がしのばれます。

 

想像のつく苦労、つかない苦労

戸建ての検針は、他人の敷地内に入ることもあり文句を言われることもしばしばのようです。

また、そんなことある??と言いたくなるような 塀に上がらなければ見えない位置にメーターが付いていたり、お茶畑の中のメーターや、何故ここに?な場所についてるメーターの検針、隣の家まで200メートル離れている、などご苦労は数しれず。

マンションの集合住宅は楽だけれど、鹿児島の住宅がまばらな地域はバイクのガソリン代も馬鹿にならない上に効率が悪い。楽でも大変でも1件40円。ご苦労さまです。

 

 最初から倒れていた植木鉢を検針員のせいにされるなど、濡れ衣もいっぱい着せられたようですが、一番気の毒なのは、雇用している会社のやり方。

会社名は仮名でしょうけれど、引き継ぎ書があれば、メーターを探し回ったりする必要もなくなるのに、立場の弱い検針員の足元を見てるな・・・と著者と一緒に怒りたくもなりました。

 

 そんな苦労をする人も今後はどんどん減っていくのだそう。

2016年の電力の自由化以降、スマートメーターが普及しているそうです。

これは、メーターの数字を検針員が読み取ってデータを電力会社に送らなくても、自動で検針し、データを送信する昨日の付いたメーターなのです。

 

機械が人に取って代わっていく時代なんですね。 

 

著者は、10年 検針員として働いて、こういう時代の流れもあり、契約更新ならず、退職されました。

検針員の職を失ったけれど夢が叶った!

著者は、外資系の会社を早期退職して文筆家を目指されていたようで、東京で文章講座なども受けておられたとか。

そこで知り合った人から、検針員なら、早ければお昼か3時過ぎには終わるから 後の時間を自分の時間にできる、と聞いて検針員になることを思いつかれたみたいです。

東京は、集合住宅が多いし、家も密集しているので早く終わっても 鹿児島では東京と同じようには行かなかったのが誤算だったかも。

 

でも、「メーター検針員テゲテゲ日記」で文筆家としてデビューを果たされ、夢を叶えられたのですね。

 

これからもまだまだ書く!とあとがきに書いておられます。

 

記念すべき 第一作目が本書。

作家誕生です、おめでとうございます。