東野圭吾著 「真夏の方程式」を読みました。
この作品は、加賀恭一郎シリーズではなく、
ガリレオこと湯川学准教授のお話です
今回も謎解きのドキドキワクワクの後に
しんみり、ほっこり
どこか憎みきれない登場人物たち。
東野圭吾作品ならでは、ですね。
ネタバレあります ご注意ください
夏休み、小学5年生の柄崎恭平は、両親が仕事で大阪に行っている間、
玻璃ヶ浦で旅館「緑岩荘」を営む伯父に預けられることになった。
一人で玻璃ヶ浦に向かう途中、列車内で湯川教授と出会った。
寂れた旅館「緑岩荘」には、宿泊客は、塚原という男と
車内で会った男(湯川)の2人
旅館の一人娘で、恭平の従姉の成実は
玻璃ヶ浦の海底に眠る金属を掘り起こす事業を進める
海底金属鉱物資源機構 DESMECと対決姿勢をとっていた。
玻璃ヶ浦の美しい海を守るための活動に没頭している成実。
DESMECサイドのアドバイザーとして玻璃ヶ浦での会議に出席し、
海底調査船に乗り込むため 旅館で待機している湯川。
そんな中、もう一人の宿泊客、塚原の死体が発見された。
どうやら 殺され、海岸のテトラポット付近に遺棄されたらしい。
調べの結果、塚原は元警察官だとわかった。
何故、彼は殺されなければならなかったのか?
何故、彼は一人で玻璃ヶ浦の旅館に宿泊していたのか?
彼が調べたかったこととは?
そして 彼を殺めたのは何者か?
次第に、過去に元警官・塚原が関係した事件から
緑岩荘を営む、川畑夫妻の過去が明らかになり
意外な人物まで 過去の事件に絡んでいるらしい (予想外!)
複雑な経緯をたどって 真相が明らかに・・・
このあたりの展開が面白く、読ませます。
殺人そのものの動機や方法はゆるーい感じがしますけど。
鍵を握る、かつての事件の犯人・仙波英俊は
真実を話すことをかたく拒んだために
本のページも残り少なくなっても、真相は闇の中。
が、最後は、湯川の推理が冴え渡り?見事解決。
湯川は 「玻璃ヶ浦」と呼ばれる所以の
キラキラと光る沖の海底の様子を
恭平が海岸に居ながらにして見られる仕掛けを考え
実際に やって見せて大成功!
ちょっと甘えん坊でナマケモノだった恭平が物理に興味を持ち始め
湯川に心を開いていくハイライトシーンです。
そして ラスト、そんな恭平に湯川はこう語りかけます。
『どんな問題にも答えは必ずある。
だけどそれをすぐに導き出せるとはかぎらない。
人生においてもそうだ。
今すぐには答えを出せない問題なんて、これから先、いくつも現れるだろう。
そのたびに悩むことに価値がある。
しかし焦る必要はない。答えをだすためには、自分自身の成長が
求められている場合も少なくない。
だから人間は学び、努力し、自分を磨かなきゃいけないんだ。
今回のことで君が何らかの答えを出せる日まで、
私は君と一緒に問題を抱え、悩み続けよう。
忘れないで欲しい。君は一人ぼっちじゃない。』
悩み、壁にぶち当たっていても
自分の努力や成長で いつか乗り越えられる・・・
君はひとりぼっちじゃない。
なんて力強い!
勇気付けられる言葉ですね。
東野圭吾さんの作品には
必ず 最後にほっこりさせられる
メッセージが用意されていて、感動が広がります。
にしても、福山雅治さんの顔がチラついて・・・
やはり映像の影響って大きいですね!