Amazonのおすすめか何かで見て、図書館に予約していました。
何と言っても、Amazonで、★5を73%の人が付けているなんて、そうそうない高評価の作品です。
一体どんなお話なんだろう、と楽しみにしていました。
そういうことなのか、人生の原理が詰まっている
Amazon★4.6 ★5=73% 2019年3月28日発売
運転者は、ドライバー、車を運転する人でもありますがこの本では「運」を「転じる」「ためにやってくる運、転、者。
保険の外交員の主人公・岡田修一の目の前に突然タクシーが止まり、乗りなさい、という感じでドアが開きます。
運転手は、御任瀬卓志(おまかせタクシー)w
何も言わずとも、必要な行き先を知っていて連れて行ってくれるのです。
それどころか、名前も家庭事情もすべてお見通しの様子。
コイツは誰なんだ…訝しんでいるうちに、娘が通う中学校に到着。
不登校の娘のことで夫婦で呼び出されていたが、担任と話すうちに、こんなつまらないことなら電話で済んだだろ、俺は忙しいんだよ、と不機嫌になるのでした。
修一が取った契約で大量のキャンセルが出た、と知って落ち込んでいたところでしたから…。
修一の前に2度目にタクシーが現れたとき、運転者(卓志)は、せっかくのチャンスが目前だったのにあなたが運を逃しました、と言います。
担任の先生は、保険に入ろうとしていたし、職場のみんなにも声をかけてくれる未来があったのに…、そして転勤先の学校でも、紹介で多くの取引が見込めたのに、と。
この、運転者は、運を転じるために、困っている人の前に現れるのです。
タクシーのメーターは、円ではなくポイント。
しかも増えるのではなく、今あるポイントからどんどん減っていくのです。
卓志いわく、運は良い、悪い、ではなく 運は貯まるか使うかなのだそうです。
運をためておけば、いつかそれを使える、他人から見ればそれが「運が良い」ように見えるらしいのです。
ポイント(運)を貯めるには…下心のない、誰かへの愛、思いやり、親切。
お、なんか面白いぞ。
運命の分かれ道とチャンスはいたるところにある
タクシー運転手が言います、運を好転させたい時、「チャンス」を掴む人は機嫌のいい人。
修一のように、終始不機嫌で、ついてない、ついてないと言う人間は、眼の前にチャンスが転がっていても気づかないのだそうです。
自分のことしか見ていない、自分が可哀想だ、なんで俺ばっかり…そんな人間には、何も目に映らないのでしょう。
運転手がいうように、上機嫌を心がけて、タクシーを下りたところはカフェの前。
中に入って心がけて明るく振る舞うも、思い通りには行きません。
実はここにも将来が大きく変わるチャンスが転がっていたのに、目先の保険の契約を取ることばかりに執着して逃してしまったようです。
予期せぬ出会い、些細なこと、それがいつか大きな花を咲かせ、実をつけるかも知れない。
修一は、手近な成果を求めるばかりで、木を見て森を見ずタイプ。
じっくりと大切なものを見極め育てる余裕がないのです。
カオス理論のバタフライエフェクトではないけれど、何が自分の成功につながるかわからないからいろんな種子を蒔いておくのが良さそ♪
やっぱり、笑う門には福来る
不機嫌だったり、エラソーだったり、威圧的な人って、自分から人を寄せ付けないようなオーラを出してますよね。
ニコニコ明るくて陽のオーラを振りまいている人のところには人が集まります。
人と人の御縁、絆…そういうところから運は開けていくのだと思います。
私の好きな言葉は
「桃李もの言わざれども下自ずから蹊を成す」(「史記」)
桃やすももは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができる。徳望のある人のもとへは人が自然に集まることのたとえ。(引用元:goo辞書)
人が集まれば、交流が生まれ情報が集まり、お互いに助け合ったりもできます。
不機嫌面にしていては、良いことが寄ってくるはずもないですよね。
プラス思考のススメ
自分の人生にとって何がプラスで何がマイナスかなんて、それが起こっているときには誰にもわかりませんよ。どんなことが起こっても、起こったことを自分の人生において必要な経験に変えていくというのが〈生きる〉ってことです。だから、どんな出来事だってプラスにできますし、逆にどんな出来事もマイナスに変えてしまうことだってできる。
出展:『運転者』P176
大きな失敗や予想外の不幸、いきなりやってくる大災害、僕たちの人生には、それが起こった瞬間に、「これも将来の自分にとってプラスなんだ」と納得することなんてできないことがたくさん起こります。
出展:『運転者』P177
そんなときでも、自分が延々と続く物語の一部、ほんの100年足らずの時間の中で、運を貯める=プラス思考、という考え方を卓志は教えてくれます。
戦争という体験をして亡くなって行った人たちの貯めた運で戦後の日本は復興してきた、と卓志は言います。
冒頭で述べた、無償の愛や、奉仕などで運(=徳)を貯めていけば、それは自分に返ってくるかもしれないし、他の誰かに返るかもしれません。
情けは人の為ならず、といいますが、見返りを求めず誰かのために動いていたら、
いつかまた自分も誰かに助けられる時が来る。
それが世の中の原理であり理想だな〜と。
最後に感涙
あれだけ、保険の勧誘に苦労していた修一でしたが、実家から会社への帰りの電車で隣り合わせた男性に保険の話をしていました。
修一がタクシーを降り際に卓志からもらってカバンに付けていたブラックバスのフィギュアは、マニアの間で伝説級のものらしく、執着のない修一は隣の席の男性・山本にプレゼントしてあげました。そして話が始まり…
保険とは相互扶助の精神を形にした商品なんです。
その精神は我が社の理想そのものだ!と言う山本と話がはずみ、修一から保険に入りたいというのだけれど…
ラストはまさか、まさかの展開、もう涙あふれました。
人間万事塞翁が馬、
何が幸せで何が不幸かわからないから、何が起きても立ち上がって歩く勇気だけは持っていたいな、と思いました。
報われない努力なんてない、たとえ自分の思うような結果にならなくても違う形で実を結ぶこともあるから。
諦めずにじっくりと育ててあげよう、なりたい自分、やりたいこと。
多くの方が★5を、★5と★4で9割。
こんな高評価の本、滅多にないです。
おすすめです!!
明日も笑顔で行きていこう〜!
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