happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

中村ふみ著 「裏閻魔」 読了♪

中村ふみ著 「裏閻魔」 読みました♪

                  2ef02dce.jpg



ゴールデンエレファント大賞受賞作、だそうです。

ゴールデンエレファント賞というのは
日本を中心に優れたエンタテインメントストーリーを
世界に向けて発信するため、2009年に創設されたそうです。
その第1回受賞作。


HPに、登場人物がアニメで紹介されているのですが
時代背景は、「るろうに剣心」を思い起こさせますし


手に鬼を封じ込めてるというのは
地獄先生ぬ~べ~」に似てますねー

永遠の命を吹き込まれている「クロ」という猫も出て来るのですが
映画「グリーンマイル」の長生きネズミのミスタージングルスを
思い浮かべました。

大人のファンタジーですね♪



ネタバレあります ↓ ご注意ください


さて 時代は幕末
新撰組に潜入した長州藩の一ノ瀬周(いちのせ あまね)が瀕死の歳に
刺青師・宝生梅倖に、掌に鬼込めの刺青をされ、
一命を取り留めたと同時に不老不死の体になった。
鬼が体に宿り、生きながらえるらしい。
特別な体になった周は、宝生閻魔と名乗り
自らも、刺青師として生きていく覚悟を決めた。

亡くなった新撰組同士の岡崎の娘・奈津を引き取り
生活を共にすることになった閻魔。
奈津は少女から、大人へ、やがて老女となっていくが
鬼込めの刺青をされた宝生閻魔は、20歳の頃から時が止まったかのよう。

奈津が、自分に思いを寄せていることを知りながらも
いつか年齢が逆転することを危惧し、
自分の気持ちを封印して、一人で生きる決意をする閻魔。

幕末から時は流れ、昭和20年8月
閻魔はまだ20歳の青年として生きていた。

宝生梅倖から刺青の手ほどきをうけた兄弟子・鬼月夜叉は
自分で自分に鬼込めをして 人の心臓を食べなければ
生きていけない体になっていたと 梅倖に聞かされた。

周の幼い頃、姉は誰かに殺められ、心臓を奪われたていた。
夜叉の存在を知って、閻魔は夜叉が姉の命を奪ったと知り探すのだった。

そして原爆が落ちた長崎で姉の仇敵・夜叉との対決を果たす。

東京に帰ってみれば、家に奈津の姿はなかった。
ただ「探さないで」という手紙だけが残っているばかり。

自分の心に素直になって、
いつまでも奈津を探し続けよう、と心に誓う閻魔だった。

---------------------------

う~ん・・・・

どこかでみた様なお話を縦糸横糸にして
新しいものを織りだした感じで、内容に特別新鮮味は感じなかった。

ただ、鬼込めをしているもう一人の不死者、鬼月夜叉が妖しい。気になる!

神出鬼没で、閻魔が尻尾をつかもうとすると
いつも、するりと手から抜け出してしまう
そして、何かよからぬことがおきるところに夜叉あり、な
薄気味の悪さから
つぎつぎとページを繰ってしまいます。

ストーリー運びはお上手!


昔から 皇帝たちが欲しがった「不老不死」

私たちだって常に若くありたいと思うけれど、
本当に不老不死を手に入れた人間の孤独と苦しみは計り知れないですね。

新撰組の同士の娘・奈津と あえて同居人でいようと努める閻魔が切ない。

ありえなーーーい、って思うシーンもありますが
なんか 読まされてしまいましたな・・・


恩人・牟田信正の愛人 十條嘉子の件は割愛してもよかったのでは?
また、禁忌とされている鬼込めの刺青を
第二次大戦に出兵する若い兵士に施し、彼は原爆で死に損なって苦しむという
あたりも 読んでいて辛いし
無駄に長くなってしまって、冗長の感をぬぐえません。
462ページ、ズシンと重たい本です。