本屋大賞受賞作・候補作、直木賞受賞作・候補作を中心に読んでいます。
本屋大賞2023、6位に入った小川哲著『君のクイズ』。
Amazon★4 ★5=41%
あの、作家の伊坂幸太郎さんが、
「頼まれてもいないのに「推薦コメントを書かせて!」とお願いしてしまいました。小川哲さん、ほんとすごいな。」(本の帯より)とコメントを寄せておられるぐらいなので、さぞ面白いのであろう、と期待いっぱいで読み始めました。
クイズ番組の決勝に残った二人、
本庄絆と一人称・三島玲央。
ゼロ文字正答という謎を解く 一気読みミステリー
…という謳い文句でしたが、本当になぜゼロ文字正答ができたのか、を主人公なりに考察していく(謎解き)という物語です。
ゼロ文字正答とは??
アナウンサーが出題を読む時に、口を開いてから何文字目でピンポンのスイッチを押せるか。
早く押しすぎても、正答できないし、相手よりも早く押さなくてはいけない、という緊張感。
ありとあらゆる可能性と、自分の持ちうる全ての知識を総動員して秒の速度で正答を導き出すにはどうしたらいいか。
対戦相手より早く答えるためには、問題を聞いてすぐにボタンを押さなければならない、その問題の何文字目で判断するかで勝負がきまってくるのです。
16問目、アナウンサーが、「問題」と言って一拍置いた時に、
パァ〜ン!!と本庄がボタンを押しました。
えっ? えっ? まだ問題読んでないよ??
どんなジャンルのどんな問題なのかもわからなかったのに本庄は正答しました。
これがゼロ文字正答。
まだ問題聞いてないのに! なぜ答えられるの、正解なの?
やらせ??と思いながら
本当の所を知りたくて次へ次へとページが進みました。
様々なジャンルの問題を如何に早く正答を導くかのポイントが説明される前半。
後半は、クイズは人生である、というテーマが底流にあります。
本庄は、中学時代いじめられていた過去を持っています。
彼の人生経験が、クイズに反映しているのです。
ゼロ文字正答の賛否がネットで議論になり、
本庄は賞金一千万円を返納し、連絡が取れなくなりました。
三島は、ひとり、本庄絆の対戦の録画など映像を見て、あることに気づきます。
ゼロ文字正答が可能だと悟り、改めて本庄に直接話を聞きたい、と連絡すると、
思いもかけずすぐに会ってくれたのですが…
本庄の目的はクイズ王になることではなく、もっと先のYou Tubeやオンラインサロンで会員を募るためにクイズ番組に出ていたのだ、とわかりました。
三島に、You Tubeのゲストに呼ぶよ、と誘う本庄にとってクイズは目的遂行のための「手段のひとつ」だったのです。
純粋に大学のクイ研(クイズ研究会)で研鑽を積んで、クイズ番組に出ていた三島は唖然。
ラスト、
ずばり、クイズとは何でしょう、そんな問が三島の頭の中に響きました。
「クイズとは人生である」
この答え、本の途中でわかっていました。^^
締めの句はこれだろうと。
謎解き要素で一気に読めます。
余白多く、189ページでスイスイ。
クイズの雑学はたくさん盛り込まれていますが、
いつも私が求めている、心が暖かくなるような「感動」は見当たりませんでした。
漫画のようにサクサク読めて、感動薄め。
だから ★5の評価割合も低めなのかな?
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