有川浩著「県庁おもてなし課」を読みました♪
有川浩さんの作品を読むのは、
空飛ぶ広報室、三匹のおっさんに続いて今年三冊目~♪
5月11日に封切られた 映画「県庁おもてなし課」の原作本です♪
有川さんは、登場人物の描き方がうまいな~といつも思います。
「キャラが立つ」という言い回しがありますが、
まさにそんな感じ。
「県庁おもてなし課」も、登場人物がいきいきと描き出されて
読んでいて本当に楽しいです♪♪
今回は高知が舞台ということもあり、
高知弁が「県庁おもてなし課ワールド」に血を通わせていました。
坂本龍馬を描くドラマでよく耳にするき、慣れちょるけんど、
一冊まるまる高知弁読んどると、真似しとうなりゆう。
ネタバレあります
映画のキャストを知りたくない方も ご注意ください。
作品の舞台の高知県庁には、本当に
「おもてなし課」があるそうです。
この作品、高知県出身の著者・有川浩さんの
体験に基いて書かれています。
その体験とは…
高知県のおもてなし課に観光特使を依頼された有川浩さん。
有川さんに観光特使として名刺を配る事を頼んでおきながら、
その後1ヶ月以上音沙汰なしで放置。
1ヶ月たっても、名刺のデザインすら出来てなかったことに
呆れ、オドロキ、その、民間との時間感覚のズレにイライラ
というのを逆手にとって 本のネタにしちゃう作家魂、天晴!!
高知を舞台にした小説を書くことが、貢献につながる、と
この経緯小説を小説にされたのです。
お話は…
高知県では、観光客誘致のための策を練っていた。
高知県出身の著名人を観光特使に任命し、
高知県の良さをアピールし、高知へ足を運んでもらおうという作戦。
高知県出身の売れっ子作家・吉門蕎介に観光特使に任命したのはいいが
そこは、「お役所仕事」。
任命してから1ヶ月も音沙汰なしに、作家から駄目だしを食らう。
この辺り、高知県出身で、実際に観光特使を務めた著者・有川浩さんの
体験がそのまま描かれている部分です。
お役所の中に流れる、時間感覚やコスト意識てのは、
民間人には驚くこともままあります。
そんな、お役所に対してバッサリと辛口に斬るあたりが
小気味いいです。
本文より (*部分)
*県民の皆様の率直な意見は…「お役所仕事やにゃあ」
*失礼ですけど、県庁の人には県庁の驕りがあると思います。
お役所仕事 → コトバンク お役所仕事
形式主義に流れ,
不親切で非能率的な役所の仕事振りを非難していう語。 by コトバンク
*「それこそ意識の部分だよ。行政は変化を嫌う。
特に地方は保守的だ。
現状を維持できたらいいって感覚のままじわじわジリ貧に
なっていることに気づかない。」
*「公のものだから競争がないっていうのは幻想だし甘えだよ。」
作家・吉門喬介(=有川浩さん)の言葉です。
なかなか厳しいお言葉が並んでいますね!
県庁職員、耳痛い?
かつて県庁の観光部職員で、パンダ誘致論を唱えた清遠は
斬新さ故に疎んじられ、閑職に追いやられ…
失意のうちに県庁を去ることになったのだった。
その清遠に接触を促したのが誰あろう、吉門蕎介。
実は、吉門と、清遠は…
おもてなし課の掛水と、自由な民間感覚を持った
アルバイト女性の多紀が、
吉門や、清遠のアドバイスのもと
高知県レジャーランド構想の実現に向けて奮闘する。
高知県の観光スポットをめぐる二人とともに
私たち読者も、
想像の翼に乗って高知県の観光地を鳥瞰し、思いを馳せ
すっかり、行ったような気にさせられるのでした。
二組の男女の恋心や、清遠と吉門との縁なども興味深く読みましたが
なにより、おもてなし課・掛水くんの成長ぶりがスゴイ!
でも、意識改革やおもてなし課として頑張れたのも、
多紀ちゃんがいたからこそ!
楽しくて、ほのぼの、今日のお天気のように読後感爽やかな1冊。
オススメです!
この本を読んで、高知に行きたくなったっていう方が多いとか。
まさに、有川浩さんの狙い通りですね♪
映画も制作、公開されて、今年の夏は…?
高知県庁、期待にウハウハ??
巻末特別企画の対談が、小説とリンクしていて面白いです♪
「物語が地方を元気にする!?」
(高知県庁おもてなし課 VS
食環境ジャーナリスト・金丸弘美氏 VS 有川浩さんの鼎談)
ここから映画キャストネタバレ ↓
私は、最初に気になって、映画のHPを観てしまったために
読みながらも、頭の中で動くのは、主要キャストが映画のまま。
失敗した~ 観なきゃよかった orz
主人公の二人、関ジャニ∞の錦戸亮くんと、
表情筋をうごかさない女優・堀北真希ちゃんで変換されていました。
もっと想像力を膨らませて読みたかったな、と映画のHPを見たことを反省。
作家・吉門喬介に若手二枚目俳優・高良健吾さん。
もう、喋ってるところが目に浮かぶ!!ってくらいはまり役!!
清遠さんに、2時間ドラマの帝王・船越英一郎さんも、良い感じ。
映画公開当初の週末は、人気第三位だったようですよ