happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

ちょんまげぷりん、読みました♪

ちょんまげぷりん 読みました。                   
表紙はイケメン侍 ↓

楽しい~! そして とってもハートウォーミングなお話でした♪ 

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7月末から 錦戸亮君主演で映画も公開されましたね


ネタバレ大ありですっ↓

シングルマザーの遊佐ひろ子と友也親子が 偶然 自宅マンション前にいた
江戸時代からタイムスリップしてきた侍・木島安兵衛が出会いました。

行きがかり上 同居することになった3人。え?

シングルマザーで 大黒柱と父親 母親 主婦4役をこなすひろ子は
体が一つじゃ足りないくらい忙しく
いつも 仕事、家事 子育てに追われて 精神的なゆとりを失いかけていました。

そこへ 現れた安兵衛は 江戸へ帰るタイムトンネルの入り口を見つけるまでの間
遊佐家に居候させてもらい その恩義を返すため 家事全般 育児なども担当する事に。

3人に疑似家族にも似た 幸せなひとときが訪れます。
友也の父親がわりになってくれる安兵衛^^


安兵衛は 初めて食べた プッチンプリンに感動し
(そう言えば、平安時代からタイムスリップしたおじゃる丸もプリン好き♪)
見事なプリンを 作れるようになりました!
お菓子作りに精を出すうち ヒョンなことから
テレビのお菓子作りコンテストに出場して優勝し 注目を集めてからは
テレビ出演 本の出版など 俄然忙しくなったのです。


イケメン侍パティシエとして テレビにひっぱりだこの安兵衛は
テレビ局近くのマンションに別居することになりました。
離れて 初めて ひろ子は いかに安兵衛の存在が大きかったかを思い知ります。
お互いの役割や関係などを 深く考える考えるようになるひろ子でしたが…


そして あっけなく別れの時がやってきました。
また 安兵衛は 江戸時代に帰ってしまったのです・・・
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すいすい読めちゃうライトノベルです

お話自体は 過去(もしくは未来)から来た人物が
現代社会に 驚きつつ 様々なエピソードを残して
また過去(未来)に帰っていく・・・というよくあるパターンです

でも この小説のポイントは

その1 侍・木島安兵衛の言葉が 
    現代人が忘れてしまった 大切なことを思い出させてくれるのです
    間違ったことは 武士だけに、バッサリと斬って捨てます
    それが なんとも小気味いい!

    そして そんな言葉にジーンと来たり ハッとしたり 

    人は己をわきまえねばなり申さぬ
    そのようなわきまえぬ心持ち、浅ましいと言わねばなんと言うのでござる(ひろ子に)

    いい加減にせぬか! 母親たるひろ子殿に対し 
    その口のききようは何であるか 謝られい
                                     (友也に)
    今時見られない
     一本筋の通った男、サムライ・木島安兵衛 かっこいい~!

その2 180年前から来た 木島安兵衛が 車や電車、
    文明の利器であるテレビや冷蔵庫などの家電やエレベーター、 高層ビルに
    驚いたり 緊張したり・・・そんな様子がとても愉快に 描かれています。
    中でも テレビドラマの暴れん坊将軍ならぬ「まっぴら将軍」を観た時の反応が最高!

その3 木島安兵衛(実年齢は25歳だが超おじさん顔・身長155cmくらい)と
    ひろ子、友也の織り成す人間模様が 読みどころ。
    友也は厳しくも温かい 安兵衛の人柄に触れ 心身共に随分成長をとげるのです


お話は 安兵衛が テレビチャンピオンみたいな番組で優勝した辺りから急展開!

安兵衛は 六本木ヒルズに住み 新しい洋菓子店出店のため奔走。
本まで出版(タイトルは「人生はケーキほど甘くないでござる」)
・・・て ちょっと この辺だけ浮いた感じがします。
とってつけたというか・・・現実味がない(もともと現実味の無い話なんですが)

3人の間に隙間風が吹き始めます・・・

帰って来ない安兵衛を恋う友也が 彼を追って家出をするという事件を経て
ようやく 安兵衛はこの親子と暮らしていこうと決意するのでした。

あぁそれなのに・・・その直後 思いもかけず 彼は江戸へ帰ってしまった・・・
彼自身もどうすることもできなかったんでしょう。
運命って残酷なもの。
そういえば彼の足元にぽっかりと(タイムトンネルの)穴が開いていた気がする
・・・と後になって思うひろ子でした。

その数日後 麻布散策時に和風喫茶で「江戸 阜凛(←プリン)」なるメニューを見つける

店のパンフレットには「創業者 木島安兵衛」!!!!
そして
<古来 神隠しに遭いたる人多し。されど神の国のわざを持ち帰りたる者はまれなり。
木島安兵衛、もと旗本なりしが ひととせかき消すごとく行方知れずなりしのち、
再び現れ出でて士籍を脱す。阜凛なる菓子を製し これを商いたり。
人、神の菓子とこれを愛ず。はなはだ幽玄の味なればなり>と。

なるほど~
うまく落ちがつきましたね!

大人のメルヘン♪
面白かった~!