⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

読んだ!観た! 湊かなえ「境遇」♪

昔 角川映画のCMで
「読んでから観るか 観てから読むか・・・」っていうキャッチコピーがありましたね

私は・・・読んでから観る派。


本を読んで想像力を駆使して
文字を映像化するところに
読書の醍醐味があると思ってます。


目から入ってくる映像の印象って強いから
先に観てしまうと 楽しみ半減だよね~


10月10日付け 朝日新聞に「境遇」の全面広告が出てました。

湊かなえ 渾身の書き下ろし!ヒューマンミステリードラマ、とのこと、
早速その日のうちに図書館に予約したら、年末に回って来ました。
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ネタバレ あります ご注意ください 



別々の児童擁護施設で育った 陽子と晴美。
晴美が育った養護施設で行われたイベントで
ボランティアとして参加していた二人は出会った。

同い年だと分かった二人は 同じ境遇で育ったことを知り、
本当の家族は居ないけれど
「私は親やきょうだい、血の繋がった人だけが家族じゃないと思う。
自分が家族だと思った人が家族なのよ。
だって、夫婦は家族だけど血が繋がっていないじゃない。
心が繋がっている相手。
それなら、親友だって家族になれるでしょ。」(本文より)
と、陽子は晴美に言った。

そして半年後 陽子は訊いた。
「私たちが親友になれたのは、同じ境遇だからなのかな」

陽子は、養父母に引き取られ
代々県会議員務める家の男性と結婚、一児を設けた。
わが子のために描いた絵本「あおぞらリボン」が
絵本大賞新人賞を受賞した。
その あおぞらリボンは、陽子の創作ではなく、
晴美が養護施設に引き取られた時のエピソードを
脚色したものだった・・・。
そのことが 36年前の出来事とつながっていく。

時期はちょうど 県会議員選挙を控えた頃・・・。

陽子の一人息子の裕太が行方不明に。
そして選挙事務所に、1通の脅迫状が届いた。
「真実を告白しろ」と。


陽子の夫の政治献金不正受給問題のことなのか、
それとも 陽子の出自のことなのか?


折りしも夫は海外出張中で
陽子の心のよりどころは 家族同様の存在、
新聞社勤務の晴美だけ。

晴美の働きで、いろいろな事実がわかってくるのだが・・・


36年前のある事件が2人の運命に絡んでいた!



息詰まる展開、どーなるのっ?と
サクサク読み進めます

誰が誘拐犯なのか
途中でうっすらわかってくるのですが
ミステリー要素もさることながら、
この二人と周囲の人間関係が
リアルに描き出されて 読むのが楽しいです。

そして、「あおぞらリボン」の象徴、青いリボンが
陽子と晴美のエピソードをつないで
うまいなーと感心。


湊かなえさん自身、
視聴者を意識しながら書かれたそうです。
この辺でドキドキしてくれるかな・・?とか。

で、12月3日に放送されたABC創立60周年記念スペシャルドラマ
として 「境遇」が放送されました。
               

録画分を観てみました。

  
ドラマは、若松監督曰く、
今回は(出た!)や人と人のつながりがテーマ。

「ミステリーなのにあたたかい」作品に仕上がっています、とのこと。

犯人探しも面白いが
それぞれの人間の心の機微がどんどん伝わる内容に仕上がった、
とおっしゃるように
人間ドラマとしても見応え有ります。


まさに! 
最後は皆、落ち着くべきところに落ち着いて
happyend、清清しく気持ちいいラストでした。


ミステリードラマならではの、「伏線」、
この人、怪しんじゃないの~?という
人物の映し方とか随所にあって、
先に本読んだから、犯人知ってる私は
ムフフって思いながら観てました 


上高地でのオールロケがストーリーを更にリアリティのあるものにしています。
風景がきれい~


湊かなえさんの新しいステージ、これからの作品にも
期待が高まります!!