happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

葉室麟著 「蜩ノ記」 読了♪

今秋10月4日公開予定の同名映画の原作本です。

お正月に映画「永遠の0」を観て、
岡田准一、で検索していて
この映画が公開されることを知りました。


出演、役所広司岡田准一…って聞いただけで名作の予感♪

で、本、借りて読みました。

第146回直木賞受賞 葉室麟著 「蜩ノ記

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感動した~~~~!

読後も、ずっとこの作品の余韻が
心の奥深くで熾火のようにくすぶり続ける感じ!

主人公・戸田秋谷(とだ しゅうこく)の凛とした生き方に胸打たれます。



もう図書館に返してしまったので、細部まちがってたらごめんなさい。


うろ覚えで感想を書く無謀をお許し下さいませ

架空の藩、豊後・羽根(うね)藩が舞台。

始まりは主人公・檀野庄三郎が、
向山村に幽閉されている戸田秋谷のもとへと向かうシーン。

風景がキラキラと光を放っているのが目に浮かぶような
イキイキとした描写。
いきなり引きこまれました!


川を渡るときに出会った少年は、秋谷の10歳の息子・郁太郎。
少年ながら、一本筋の通った小さな武士。
案内されて訪れた家では、秋谷が家譜編纂に当っていました。

庄三郎は、城内で刃傷沙汰を起こしたけれど、切腹と引き換えに、
向山村に幽閉されている戸田秋谷の監視を言い渡されたのでした。
秋谷には、藩主側室との不義密通の嫌疑がかけられ
10年後の切腹を命じられての幽閉だったのです。

何の申開きもせず、運命を静かに受け入れる秋谷に、
何か堅い意思があるのだと 想像出来ます。

秋谷が変な真似をしたり 逃げたりしたら、
即刻斬っていい、との命で秋谷の家に同居することになった庄三郎ですが

家譜編纂を手伝い、
傍で、秋谷の生き様、誠実な人となりを見るにつけ
実は、秋谷は無実なのではないかと庄三郎は思い始めます。

村では、藩と豪商の癒着で農民が年貢に苦しめられたり 
様々な事件がおこりますが
元・郡奉行として 農民の信頼を得ていた秋谷は
冷静に事を収めて行きます。

いつしか、庄三郎は、秋谷が逃げ出すようなことがあれば斬る、とまで
思いつめていた自分を恥じ、
秋谷を尊敬し、彼のために働こうとさえ思うようになるのです。

秋谷の背筋の伸びた 凛とした生き方が
庄三郎に憧れにも似た気持ちを抱かせたのでしょう。

不思議だな。そなたは目立ったことをなすわけでもないのに、
関わる者は生き方を変えていくようだ。
」 (本文より)

家老の兵右衛門の言葉です。
人は秋谷の背中を見て、何かを学ばずにはおれないようです。



定められたとおり 秋谷は自分の手で人生を全うします。

静かな静かな哀しみがじわ~と広がり

武士として 父としての生き方を息子に示した秋谷の
潔さに胸を衝かれたラスト。

ふ~~~っ。


人は心の目指すところに向かって生きているのだ、と思うようになった。
心の向かうところが志であり、
それが果たされるのであれば、命を立たれることも恐ろしくはない
」 (本文より)

庄三郎の中にも、秋谷の生き方が宿ったようです。

タイトル「蜩ノ記」は、秋谷がつけていた日記の名前です。

オススメですっ!