⚠️ 基本ネタバレしております。ご注意ください。

結城真一郎著『#真相をお話しします』|ぞわっと気持ちの悪いミステリー短編が5編

図書館の予約数が多くてやっと届いた作品

すごく注目度が高いのね!!と期待が大きかった分、読んで風船がシューっとしぼんだ感じ。

 

えっ? これが本屋大賞の10位以内に入ったのなぜ??と若干のギモン。

 

藤岡陽子著『きのうのオレンジ』、本屋大賞の一次投票11位で本屋大賞2021の選に漏れましたが、素晴らしい作品でした。

 

本屋大賞2021はこちら ↓

 

大賞    『52ヘルツのクジラたち』町田 そのこ    
2位    『お探し物は図書室まで』青山 美智子   
3位    『犬がいた季節』伊吹 有喜    
4位    『逆ソクラテス』伊坂 幸太郎    
5位    『自転しながら公転する』山本 文緒    
6位    『八月の銀の雪』伊与原 新
7位    『滅びの前のシャングリラ』凪良 ゆう 
8位    『オルタネート』加藤シゲアキ
9位    『推し、燃ゆ』宇佐見りん    
10位    『この本を盗む者は』深緑 野分

 

Amazonの評価などをみても、『きのうのオレンジ』より評価の低い作品もいくつかあります。

 

で、この『#真相をお話しします』そんなに深い作品でもなく、刺さりませんでした。

なぜタイトルにハッシュタグがついているんでしょうね??

 

バズりたかったのかしら?

 

Amazon ★3.7  ★5=37% 2022年6月30日発売

 

本屋大賞2023 第10位の作品です 

大賞   『汝、星のごとく』凪良ゆう   
2位    『ラブカは静かに弓を持つ』安壇美緒
3位    『光のとこにいてね』一穂ミチ 
4位    『爆弾』呉勝浩 
5位    『月の立つ林で』青山美智子
6位    『君のクイズ』小川哲 
7位    『方舟』夕木春央
8位    『宙ごはん』町田そのこ
9位    『川のほとりに立つ者は』寺地はるな  
10位    『#真相をお話しします』結城真一郎

 

本屋大賞上位10作中、8作を読みました。

好みもあるかと思いますが、ん〜、8作の中で一番感動なし、割と先の見えるストーリー、

Amazonの★3.7、★5を付けている人はたったの37%なのもうなづけます。

 

宇野碧著『レペゼン母』が11位で続いていましたが、

こちらは、Amazon ★4.4 ★5が67%と高評価の人が多いです。

 

惨者面談

三者面談、ならぬ 惨者面談。

家庭教師派遣会社・営業の片桐は、面談予約の入った家に行ってみると…

 

何もかも違和感だらけの面談、母親も息子もどこか変。

 

ことの真相が判明すると、なるほど、そうだったのか、と納得できますし、

辻褄もあっているけれど、そんな状況が起こり得る可能性が限りなくゼロに近いので、リアリティに欠けます。

 

事実は小説よりも奇なり、世の中、何が起きるかわからないとは言え、ん〜〜〜〜orz

 

ヤリモク

ヤリモクとは「エッチをするのが目的」という意味らしいです。

女子高生の娘がいるのに出会い系で知り合った女の子をお持ち帰りする男、Kent。

Kentはもちろんアプリ上の名前。

案の定、美人局で、招かれた家に怖い系の人がやってきて…

 

「マッチングアプリ利用女子懲らしめ隊」と名乗る人物が、この男。

娘が、バイトと称して出会い系でお金を得ているようで、

止めさせようと、父はマッチングアプリを使う女性を殺害していく

連続殺人犯。

 

ってそんな理由で連続殺人、あり?

 

なんだか理由が軽すぎてバカバカしい。

 

生活感のない部屋に乗り込んできたいかにも怖い系の男に留めを刺し、さらに出会った女性も手にかけるKent、ヤリモクのヤリは「殺る」方なんだ…と打ち明けて。

 

案の定、殺した男のスマホに、そろそろ部屋使いたいんですが…とメール。

差出人は、我が娘だった…というオチはうっすらとそんな予感がしてました。

 

パンドラ

一番まとも、というかラストまで殺人や怖い人が出てこないお話でした。

 

精子バンクに登録していた男性と、彼の精子を今すぐ欲しい女性。

その女性が生を受けた子供との出会い…

 

すこし考えさせられた物語でした。

 

三角奸計

大学時代の仲間とのリモート飲み

主人公・桐山の不倫相手は、大学時代の友人の婚約者でした。

そうとも知らず付き合っていたけれど、友人は復讐の凶行に…

 

友人、その婚約者の「三角関係」と、大学時代の二人の「奸計」が見事に昇華。

 

たぶんこうなるだろうと思ってました。

細かいところは別として大筋は割と見えがち。

 

#拡散希望

小学生が4人しかいな匁島(もんめじま)。

凛子以外は移住組の子供でした

3人の移住組の子どもたち、実はリアル子育てを題材にしているYou Tuberグループ「ふるはうす☆デイズ」の子どもたち。

 

親たちは子供に内緒で動画をUPして稼いでいましたが、ある日炎上系You Tuber「キンダンショウジョウ」が小さな島にやってきます。

 

その後キンダンショウジョウが視聴者に刺殺されるというテレビニュースが流れました。

ふるはうすファンの視聴者が、ふるはうすの実像をあばこうとしたことが許せなかったらしいのです。

それ以来、島じゅうの人からふるはうす☆デイズの親子は冷たくあしらわれるようになります。

 

ふるはうす☆デイズも、マンネリ化して人気は下がり気味

 

そんな時、唯一の島生まれの凛子がYou Tubeに興味をもったことで、You Tuberふるはうす☆デイズのメンバーは危険を感じ…

我が娘、ルーに凛子を崖から突き落とさせる…

 

凛子の死に、泣きじゃくる我が子たちをネタにアクセスを稼ぐ親たち。

 

ラストは、ふるはうすメンバーの息子、チョモが、凛子を突き落としたルーを縛り上げて崖の端に転がして…

 

You Tubeでその様子を中継。

 

リアルタイムで低評価、高評価を付けてもらい、自分を指示する声が多かったら突き落とす、と宣言。

視聴者参加型エンタメの完成だ、と orz

 

大人でもこんなことするの大変でしょ?

 

これもリアリティに欠けるというか、頭の中の映像を文章化してサクサク書いた小説、に感じました。

 

本屋大賞受賞作は玉石混交だわ、審査基準は本屋の店員の好みだから仕方がないのかな。

 

 

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