happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

江戸川乱歩賞受賞作 「闇に香る嘘」 読了♪

何事も一本調子は飽きられるので
今日は 久しぶりにブックレビュー♪

2014年8月31日書籍広告欄に
↓の文字が踊っていました

今回の江戸川乱歩賞はすごい!
瞠目の大どんでん返しに 取材殺到! 話題沸騰!

これを看過できるか??

と、図書館に予約して待つこと5ヶ月余、

ようやく 下村敦史著 「闇に香る嘘」読みました。

          yaminikaoru.jpg

⚠ネタバレあります

 



いきなり映画を観ているような センセーショナルなプロローグから 
手に汗握る緊張感!
息を詰めて読みふける!!
もう、一気に読まされましたっ!!!

緊迫 のち 感動♪ 読後感さわやか~

後半の謎解き、伏線回収もお見事でした。

中途失明者の主人公の思いを縦糸に
中国残留日本人孤児問題を横糸に
著者が一言一句にまでこだわったというだけあって、
素晴らしい作品が織り上がっています。


なによりも、どんでん返しがすごいです
天地ひっくり返るんです。


盲人として生きることになった 主人公の苦労が細かく描かれ
この本を読んだら 何気なく見ていた
舗道の点字ブロックや 駅や建物で流れるアナウンスなどが
すごく大きな意味を持っていることに改めて気付かされたのでした。

このミステリーは「目が見え無い」という設定により、
主人公の疑念がふくらんでいくところが
ストーリーを面白くしていると思います。


気配はするのだけれど・・・誰か居るのか?

傍にいるのは、敵か、味方か?

この聞き覚えのある声は・・・?

嗅覚、聴覚、触覚、記憶力 いろいろな感性を駆使しても
百聞は一見に如かず
目が見えたら、確実に 判断できることすらできない。
忍び寄る敵にも気付かない。
魔の手から走って逃げることもできない。

実家には不気味な内容の俳句(川柳?)が 届き始めます。
送りつけてくるのは何者なのか?
ここも 薄気味悪くてドキドキです。
そして 点字のトリックが面白いです、なるほど~

家の中に、誰かが潜んでいる。
そう思って 家の中を調べる様子も 手に汗握ります。
常闇の全盲の主人公は 部屋を調べるにも手の届く範囲しかわからず
いつ 背後から襲われるかも知れない!


そんな恐怖感が じわ~っと忍び寄ってくるのです。

ハラハラ ドキドキ イライラ、で息をも吐かせませんっ!!

主人公は腎移植の必要がある孫娘の為に
自分に代わって、片方の腎臓を提供して欲しい、と
中国残留孤児で、帰国を果たした兄に 頼みに行きます。

頑なに断る兄。

血液検査は絶対にしない、と言う。
何か不都合な真実を隠しているのでは?

 


そんな思いが、やがて 兄は偽物の中国残留孤児ではないのか?

実家の母の財産を狙っているのではないのか?

など 様々な妄想が膨らみ 全てに疑心暗鬼になっていきます。

中国残留孤児問題の関係者に会いに行っても 
兄は偽物ではない、これ以上追究するなと言われてしまいます。

実家の母にまで
「今更調べまわっちゃいかんよ
本物か偽物かなんて・・・もうどうでもいいことなんだよ」と言われます。


最後の最後に、この皆の言葉が 主人公の為を思って
言われた言葉なんだ…と分かり

胸熱


最後は、万事、符合して、すっきり。

人の思いやりや愛が人を支えているのだということを
改めて感じたのでした。

お薦めです!