happyの読書ノート

読書感想を記録していこうと思います。 故に 基本ネタバレしております。ご注意ください。 更新は、忘れた頃に やって来る …五七五(^^)

高田郁著「銀二貫」読んでみました~♪

高田郁著「銀二貫」を読みました。

 

     銀二貫

 

 

良かった~~~~!! 泣ける~~~~!!

 

 

以前、NHKでドラマ化されていたので二話ほど観ました。(全部観てない)

私の大好きな 「みをつくし料理帖」の著者 高田郁さんの作品だし・・・

と、図書館で借りたものの 忙しくて 2ページしか読めず、返却。

 

この度、11月の宝塚雪組のバウホール公演の演目が

銀二貫」ということで 再チャレンジ。

 

ネタバレあります、ご注意ください!

 

 

 

舞台は商人の町・大坂天満。

仇討ちで父を亡くし、自分も討たれるかというところを、

居合わせた寒天問屋井川屋の主人・和助に銀二貫で命を救われた

武士の息子・鶴之輔は、松吉と名を改め商人として生きることとなる。

商人としての厳しい修行に耐え、数々の困難に立ち向かっていく松吉が、

情け深い人々に支えられながら成長していく様を、

得意先の料理屋の娘・真帆との淡い恋を交えてお届け致します。

 

宝塚歌劇公式HP 解説ページより 抜粋

 

 

父の仇討ちに来た建部玄武という若者に

父を斬られた少年 鶴之輔。

まさに自分も斬られる!というその時、

その場に居合わせた 天満の寒天問屋・井川屋の主人和助が

「その仇討ち 買った」、と建部に手持ちの「銀二貫」を差し出します。

それはようやくの思いで

天満の天神さんに寄進するための銀二貫でした。

 

 

母と死に別れ、父までも亡くしてしまった鶴之輔は、

武士を捨て、故郷を離れて

命を救ってくれた 和助に引き取られ、

大坂(当時は坂)の寒天問屋・井川屋の丁稚になったのでした。

 

鶴之輔は 名前を松吉と改め、

扱っている商品を知るために 寒天場に修行に出されました。

 

寒天を作る作業はとても厳しく、天草を煮る匂いに

吐き気を催しながら 身を粉にして必死に働き

成長して井川屋に戻ったのですが

番頭からは 大切な銀二貫が 丁稚に化けた、と

事あるごとに 嫌味をいわれ 冷たくあしらわれるのでした。

 

そんな毎日の中でも 心の慰めは 寒天を卸す

料理店 「真帆家」の一人娘 真帆の存在。

いつしか淡い恋心がめばえ・・・

 

銀二貫を 仇討ちの青年・建部に渡してしまってから

また ふりだしに戻って精進し ようやく銀二貫を寄進できる段になって

今度は世話になる寒天場の美濃志摩屋が火事に。

火事見舞い金として 銀二貫を送ります。

 

寒天場の半兵衛が 原料の天草の入手に窮しているのを知り

天草の仕入れルート確保のために またポンと銀二貫を出した和助。

 

人助けの為に 自分がコツコツと稼いだお金を

惜しげも無く差し出す和助。

器が大きく 人情にあふれています!!

 

刀で命の遣り取りをして決着をつけるのは侍。

知恵と才覚をしぼり、商いの上で決着をつけるのが商人。(あきんど)

 

そう、言って 寒天場が焼けて寒天が品薄になっても

知恵と才覚で 見事に乗り切ったのでした。

 

 

井川屋で奉公を務めて20年近く。

松吉は 和助に言われて ふるさとの土を踏みます。

様変わりしたふるさとの小径を 野辺の送りが進んでいきます。

 

何と 建部玄武の葬列だったのです。

村人曰く、村が困窮を極めているときに 

彼は、銀二貫を差し出して 村の灌漑を整備したのでした。

 

自分を救った和助の銀二貫が

時を経て また建部玄武によって 村を救ったのでした。

 

もうこの辺で涙腺がぁぁぁぁ。

 

村人から手土産に村の特産の小豆をもらって帰ります。

その小豆を 愛する真帆に託したことで 

松吉は、練り羊羹の作り方のヒントをつかみました。

自らが考案した糸寒天を 実用化することに成功したのでした。

 

いつしか 鬼の番頭・善次郎も 松吉を認め 見守ってくれています。

 

和助がポンと侍に差し出した銀二貫が 

思いもよらない 出会いや結果を生みました。

 

情けは人のためならず。 そんな言葉を思い出しました。

 

苦労あり 友情あり 淡い恋あり

いつの世も人を生かすのは 温かい人の心なのだ、と 

改めてしみじみと感じいりました。

 

みをつくし料理帖」同様、主人公の松吉に

特に大きな事件が起こるわけでもないのですが

大坂商人の日々の営みが丁寧に描かれています。

 

番頭からの冷遇に苦労したり

自ら発案した糸寒天の使い道を探るために苦労したり

取引先の店のひとり娘との淡い恋など

胸に温かいものがじわ~~~っと広がる作品でした。

 

みをつくし料理帖の江戸っ子べらんめぇ調から

今度は 大坂商人の なにわ言葉。

 

はんなり まったりと温かい感じがいいですね!

 

 

さて、これを舞台に載せるとどうなるのか?

 

私が大注目している 宝塚雪組95期の月城かなとくん主演で

11月末にバウホールにて上演されます。

 

 

もちろん 最大のストーリーのキモは

料理人「真帆の家」の嘉平の娘で 

大家事で父親を失い 顔に大やけどを負った真帆との恋愛でしょう。

 

公演「銀二貫」のサブタイトル 梅が枝の花かんざし

真帆の落とした 梅の枝を拾って・・・というシーンがあります。

 

すごくいいお話なので すてきな作品に仕上がるといいな!

楽しみに(チケット取れるのか?)してます。

 

電車の中などで読むと危険です

私は鼻をスンスン言わせながら読んで

実家の母に、こんなにいい作品だった、と説明しているうちに

泣いて、声がうわずって 大変でした

 

すぐに読めるので、オススメです~~~!

 

NHK木曜ドラマでご覧になった方も多いと思います。

NHKでは 

主人公・松吉の亡き母の役に

もと 雪組トップスター音月桂ちゃん

 

真帆の生さぬ仲の母親に 

もと 月組トップ娘役 映美くららちゃんが

出演されていたようです。

 

 

◆外部リンク 

 

NHK 木曜時代劇 銀二貫